落語・噺・ネタ

2017年8月23日 (水)

与太郎のキャラ

与太郎のキャラ
落語国の人気者の与太郎さん。
私の持ちネタでは、「猫怪談」と「佃祭」に登場します。
この与太郎のキャラ付けというか、口調はとても難しい。
「佃祭」では、最後の部分にちょっと出るだけですから、あまり苦労はしませんでした。
「猫怪談」では、まさに主人公なんですが、愚かしいとは言え、親孝行な与太郎ですから、それほど難しくはなかった気がします。
ところが、先日の「牛ほめ」では「猫怪談」の与太郎に近い感じでやってみたのですが、師匠からアドバイスがありました。
松竹新喜劇の藤山寛美さんのように、極端に鼻にかけて愚かしくやるのは、時勢柄悩ましいから、もっとシンプルにと。
確かにそんなに極端にやった訳ではありませんが、「牛ほめ」は、おうむ返しの台詞も多く、鼻につくかもしれません。
「先代の柳家小さん師匠の与太郎が、ほとんど他の登場人物と変わらない口調なんだが、それがとても良かった」と師匠。
なるほど、確かに、色々な人に聴いていただくのに、何か蔑むように受け取られたら元も子もありません。
「猫怪談」の与太郎よりも少しライトな与太郎にしてみよう。
みんなから愛されるキャラにしないといけません。
お父っつぁんも佐兵衛伯父さんも、そんな与太郎が可愛くて仕方がないんですから。

落語の「視線」

eye私は、どうも「目線」という言葉に抵抗があります。
「視線」というのが正しいと思うのです。
調べてみると、やはり色々あるようです。
「目線」という語は、元々、映画・演劇の世界で演技者が目を向ける方向のことを指す言葉。
小学館の日本国語大辞典には戸板康二さんの著書「楽屋のことば」の一節が引用されている。
それには「役者が演技中に、月を見あげたり、山を眺めたりする時の、目のつけどころを『目線』という。視線とはいわない」とある。
同辞典はその記述のあと「②転じて、一般に視線をいう」とあり、現在の使用状況の実態としては「視線」とほぼ同じ意味。

言葉は使われる頻度が多くなると、背景などがどうあれ、認知される傾向にあります。
映画や演劇で使われていたとすれば、落語でも「めせん」?
それは嫌ですね。
eyeglass落研では、高座に上がる時は、全員メガネを外しました。
緊張するから、メガネを外して客席が見えないようにする訳ではありません。 (そういう人もいたかもしれませんが。)
落語は、座って演じる芸能です。
しかも、小道具は、扇子と手拭いしか使いません。
それで、宇宙からミクロの世界まで演じる演芸です。
従って、頭、顔、肩、腕、手、表情、顔色、そして視線で全てを表現する訳です。
メガネを外す理由がここにあります。
まず、江戸時代が舞台になっている噺は、そもそもメガネはありえないでしょう。
それから、これが最も大事なのですが、落語にとって、この「視線」が重要なんです。
例えば、「嬉しい」って笑って言っても、視線が下を向いていたら、100%嬉しくない感情になる訳です。
そういう機微を表現する、最大の武器なんです。
ところが、メガネをかけると、レンズを通して視線が見えづらくなるだけではなく、場所によって、高座の照明の関係で、ライトがレンズに反射して全く見えなくなる場合もあります。
ですから、必ずメガネを外して、視線で演技をすることが大切。
極端に言えば、言葉は発しなくても、「目は口ほどに物を言う」。
何度も言うように、落語は聴き手の頭の中に、聴き手自ら映像を作ってもらわないといけないのですから、
聴き手が、どのように見えるかが、重要になる訳です。
以前、千公さんが「ぞろぞろ」を、百梅さんが「夕立屋」の稽古をしていた時、私は、家の中から外の天気を窺う視線を工夫するようにアドバイスしたことがあります。
当然、空を見上げますから、顔を上げて上目遣いにしますが。
私は、この場合の視線を線で示すと、「upwardright」ではなく「up」となるはずだから、「up」の視線を演じるようにと。
upwardright」なら、視線は天井や軒下にぶつかり、空模様は見えない。
落語の「視線」
天井や軒を透かして見る視線(仕草)が必要になるんです。
視線は、基本的には直線ですから、「up」の視線を具体的にどう工夫して演じるかは、実際に軒下から空を見上げて、天気を確かめてみれば良いと。
それから、先日の稽古で、千公さんが「目黒の秋刀魚」の稽古をした時、オチの直前の殿様の台詞で、「この秋刀魚、何処より仕入れた?」と家臣に尋ねる場面。
ここは、ずっと下手の家臣を向いて語るのではなく、目だけで良いから、不味い秋刀魚を一瞥してから台詞を言えば、物凄くリアルで立体的な表現になるとアドバイスしました。
この視線も自然に演ずることが出来れば、素晴らしいと思います。

なぞかけ(8/23)

【宗論】
・「禅問答」とかけて
・「中華料理店同士の競争」と解く
・その心は「宗論法(小籠包)の闘いです」
【青菜】
・「青菜」とかけて
・「津軽海峡冬景色」と解く
・そのま心は「♪上野発の夜行列車降りた時から青菜り(青森)駅は雪の中♪」
【夏泥】
・「煙草入れ」とかけて
・「安倍内閣の支持率」と解く
・その心は「最近ヤニ(やけに)下がってます」
【蒟蒻問答】
・「蒟蒻屋の六兵衛さん」とかけて
・「過激派グループ」と解く
・その心は「大僧正(大騒擾)になるでしょう」
【宮戸川】
・「家から締め出し」とかけて
・「泡と割」と解く
・その心は「みんな食べずに"食う"ものでしょう」
【花見の仇討ち】
・「勝負は五分五分」とかけて
・「白熱の議論」と解く
・その心は「互いのイーブン(言い分)をぶつけ合います」
【お見立て】
・「花魁に会いたい杢兵衛大尽」とかけて
・「源頼朝と義経の兄弟初対面」と解く
・その心は「どちらも喜瀬川(黄瀬川)が縁でしょう」
【文七元結】
・「佐野槌に行ったお久」とかけて
・「一寸法師」と解く
・その心は「小槌(小槌柄の財布)に助けられました」
【うどんや/替わり目】
・「うどん屋」とかけて
・「今夜はかすり声ではなく大きな声で呼ばれた」と解く
・その心は「そろそろ銚子の替わり目でしょう」
【犬の目】
・「犬の目玉を入れられた男」とかけて
・「世間体」と解く
・その心は「細かなこと(もの)も気になります」

2017年8月22日 (火)

「目黒の秋刀魚」考

fish先日の稽古会で千公さんがやった「目黒の秋刀魚」。
師匠と色々な話になりました。
目黒と殿様と秋刀魚との関係です。
色々と考えてみました。
「目黒」というのは勿論地名のことですが、取り敢えず今の「目黒」と考えて良いと思います。
江戸時代と現在との違いも理解しておかなくてはいけません。
そもそも、昔の江戸は、今の東京に比べて、物凄く狭かった。
例えば、「品川」「新宿」「板橋」「千住」といえば、現在でも鉄道のターミナルになっている場所ですが、これらは「江戸の四宿」と言われ、東海道・甲州街道・中山道・奥州(日光)街道の最初の宿場だった場所です。
従って、既にここは江戸ではなかったということです。
「本郷も かねやすまでが 江戸のうち」という言葉が有名ですが、例えば中山道ならば、現在の本郷三丁目の交差点にある「かねやす」という店を過ぎると、もう江戸ではなかったということです。
要するに、今の東大のある場所は、江戸ではなかった。
ついでに、早稲田大の「都の西北」からも分かるように、高田馬場も、都(江戸)から外れた西北方向にあったということ。
目黒を考えると、東海道は芝から高輪までが江戸でしたから、江戸の外だった訳です。
従って、お殿様が目黒に行くというのは、さすがに「ぶらり途中下車の旅」という訳にはいかず、遠足みたいなものだったのでしょう。
それでは、何故目黒に行ったのか・・・・。
噺の中では、目黒へは、「遠乗り」あるいは「鷹狩り」に行く設定になっています。
いずれにしても、そこそこ遠い場所ではあったはずです。
さて、(ここからはWIKIを参考に)「目黒」は、恐らく今よりずっと広域を指していたようです。
江戸時代、将軍は広大な鷹狩場を複数持ち、単に「御場(ごじょう)」とも呼ばれ、 その中の一つが「目黒筋」だった(旧称:品川)。
「目黒の秋刀魚」考
文化2(1805)年の、「目黒筋御場絵図」というものによれば、「目黒筋御場」の範囲には馬込(現在の大田区西馬込など)・世田谷(現在の世田谷区ほぼ全域および狛江市)・麻布・品川・駒場といった非常に広い範囲が含まれていたようです。
なお、江戸期に目黒筋鷹狩場の番人の屋敷であった場所は、現在「鷹番」という地名が残っています。
殿様が、遊びに行くのに、「鷹狩り」が大義名分になり、目黒方面には駒を進めやすかったであろうことは、想像に難くありません。
では、殿様(赤井御門守)は、どの辺りで秋刀魚を食したか。
噺の中には出て来ませんが、噺の成り立ちの背景を想像する上で考えられるのは、鷹狩場近辺には、徳川幕府の庇護の下にあって繁栄した「目黒不動」があり、多くの場合、鷹狩から目黒不動参詣のあと近辺の茶屋で休息したと思われます。
この茶屋は彦四郎という名の百姓が開いたとされていて、将軍家光が彦四郎の人柄を愛し、「爺、爺」と呼びかけたことから、「爺々が茶屋」と呼ばれ、歌川広重の「名所江戸百選」にも題材とされているそうです。
・・ということであれば、諸説はあるかもしれませんが、概ね目黒川を越えたあたりということで、良いのかもしれません。
それでは、目黒の在の人が焼いていた秋刀魚は、どこで手に入れたものなのでしょうか。
噺の中にそれを特定する根拠は何もありませんが、愛好者の間では以下の諸説があるそうです。
「芝浜の魚市場(ざこば)」か「別の魚市場」か「目黒川」か・・・。
芝浜の魚市場は現在の港区にあり、そこで秋刀魚を買って徒歩で茶屋まで運ばれたという説。
江戸時代には目黒は里芋の産地で行商が盛んに行われていて、「目黒の里芋」の大需要地が、東海道品川宿と、当時大きな魚市場があった芝だった。
目黒を朝早く出て里芋を売り、その代金で「芝の秋刀魚」を買い、昼過ぎに歩いて目黒に帰るのが行商人のパターンだった。
これとは別に、目黒は新鮮な秋刀魚が手に入り易い場所だったという説もあるそうです。
目黒は目黒川河口(現在の天王洲あたりとなる)の雑魚場から揚がった新鮮な近海魚が入手できた場所だからということ。
しかしこの雑魚場の位置が明確でない(芝浜の雑魚場と同じかもしれない?)ようなので?
それから、目黒川に遡上した秋刀魚を農民が捕獲したという説。
現在でも目黒川河口はボラ・スズキ・ハゼ等の食用になる魚が生息しており、1980年代前半に東京湾で大量に秋刀魚が発生したことがあり、その秋刀魚が江戸川などの川に流入して遡上したこともあったので。
輸送が不便だった当時は、現場ですぐ淡塩をあて、九十九里浜で獲れた秋刀魚は、速度の遅い和船で一昼夜かけて日本橋の魚河岸に運んだようです。
従って、この秋刀魚は魚味が定まっていて、なんら手を加えなくてもよかった。
目黒近辺は里芋の産地であり、この里芋と塩漬け秋刀魚を日本橋で物々交換していたとの説もあるようです。
・・・色々と考えるに、やはりお殿様が目黒に出かけて秋刀魚に出会う必然性はあったのかもしれません。
だから、「板橋の秋刀魚」や「千住の秋刀魚」ではないのでしょう。
・・・こういうことを知って、この噺をやれば、直接の台詞や所作には表れないかもしれませんが、高座に立体感や深みが出ます。
落語の舞台設定にあたっては、この「距離感」が重要です。
千公さんには、お殿様が秋刀魚をしゃぶるシーンにばかり力を入れずに、こんな情景をイメージして、大きく描いて欲しいです。
今度の「edu落語会」で。

なぞかけ(8/22)

【居酒屋】
・「ご酒替わり一丁」とかけて
・「カラオケのデュエット」と解く
・その心は「♪もしも嫌いでなかったら何か一杯飲んでくれ♪」
【小言念仏】
・「念仏」とかけて
・「銭勘定」と解く
・その心は「何万だ(なんまんだぶ)」
【紙屑屋】
・「紙屑屋」とかけて
・「湯屋番」と解く
・その心は、「始めから湯屋で働くまでストーリーが同じです」
【いかけ屋】
・「いかけ屋」とかけて
・「話の腰を折られた人」と解く
・その心は「まだ、いかけ屋(言い掛けや)」
【二十四孝】
・「偉い人の教え」とかけて
・「小豆島の大石先生」と解く
・その心は「二十四孝(二十四)の瞳でしょう」
【親子酒】
・「親子酒」とかけて
・「歌の題名にならない」と解く
・その心は「夫婦酒、二人酒、夢追い酒・・はありますが」
【猫怪談】
・「谷中」とかけて
・「親孝行」と解く
・その心は「いやなかなか(い谷中なか)出来ないことです」
【浮世床】
・「寝ぼけた半ちゃん」とかけて
・「道に迷ってしまった人」と解く
・その心は「浮世床(うちはどこ)?」
【黄金の大黒】
・「黄金の大黒様」とかけて
・「オリンピックのメダル獲得の多い国」と解く
・その心は「金の大国(大黒)と呼ばれるでしょう」
【へっつい幽霊】
・「博打好きの幽霊」とかけて
・「無駄遣い」と解く
・その心は「お金がへっつい(減っちゃい)ます」

2017年8月21日 (月)

前座噺から次へ・・

sun落語っ子連の話をしたいと思います。
構成は、大学落研出身者が、越児さん、新参さんと私の3名。
高校時代に落語をやった経験があるのが窓口さん。
落語経験のなかった学校の先生が、千公さんと夢学さん。
落語経験がなかった若手の百梅さん。
落語経験は、千公さんと百梅さんが4〜5年ぐらい。
夢学さんが2年ぐらいでしょうか。
オジサンたち4人のうち、越児さん、窓口さん、私は、人情噺あるいは長講をやります。
新参さんは、肩の力を抜いて、滑稽噺志向。
千公さんと百梅さんは、「いつかは人情噺」と言っている。
記念写真
最近、私が何となく提案しているのは、千公さんと百梅さんには、すぐに人情噺とまでは言いませんが、ストーリー性のある噺をやってもらいたいということです。
基本的に前座噺にチャレンジして来て、基本はそれなりに出来ていると思いますから、次のステップに行って欲しい。
だから、次回か、その次あたりは、お二人にトリを取ってもらいたいと思っています。
千早亭などでは、出演順をあみだくじで決めていますが、我々は以前から、演目を見て、発表会ではなく、落語会として番組を決めています。
bb
それは、稽古の成果の発表だけでなく、ひとつの会として、それぞれの香盤(位置・出番)に求められるものを意識して高座に上がって欲しいからです。
開口一番も、仲入り前も、食いつきも、膝も、勿論トリも、会全体の流れの中で、それぞれミッションがありますから。
その最初のトライアル第一弾として、6月の「南行徳落語会」では、百梅さんに「夕立屋」でトリを取ってもらいました。
勿論、くじで決めた香盤ではありません。
南行徳寄席のプログラム
トリというのは、その芝居の代表ということですから、責任のある位置であることは間違いありません。
「今日の落語会は良かった(悪かった)」の評価は、トリへの評価だと言っても過言ではないかもしれません。
百梅さん、緊張していましたが、堂々と立派に勤めてくれました。
また、この緊張の経験が、ご本人にとっても大きな自信、プラスになったと思います。
くじで決めたトリではありませんから。
南行徳寄席グラフィティ
百梅さんの持ちネタは概ね以下のとおりのはずです。
「狸の札」「転失気」「桃太郎」「出来心」「権助提灯」「替わり目」「猫の茶碗」「夕立屋」「火焔太鼓」・・・。
千公さんの持ちネタは・・・。
「十徳」「ぞろぞろ」「寿限無」「饅頭こわい」「やかん」「松曳き」「時そば」「三方一両損」「目黒の秋刀魚」・・・。
それぞれの噺では、個別の課題はあるかもしれませんが、ご本人たちが気がつかない部分で、しっかりと血や肉や骨格になっていることは間違いありません。
十分に力は蓄えられて来たと思います。
傍らでずっと拝見していて、私がそう確信しています。
ですから、「芝浜」「子別れ」とまで行かないまでも、是非とも自信をもって、次のステップにチャレンジしてもらいたいと思います。
師匠にも相談して行きたいと思います。
だから、オジサンたちには少し自重してもらわないと・・。
そんなこともあって、私も「牛ほめ」「天災」「小言念仏」「試し酒」「長短」「親子酒」あたりを考えています。

前座噺のこと

book昨日の稽古で「牛ほめ」をやりました。
この噺は、所謂「前座噺」というジャンルの噺です。
最近、私自身、私が所属している連もそうですが、他の連の発表会にお邪魔するようになって痛感することは、落語を落語としてしっかりやるには、誰が何と言っても前座噺から入って行くことが不可欠だということです。
落研に入部して、1年生の時は、自分で噺を決めることは出来ませんでした。
先輩から、「お前は○○という噺、おまえは△△をやれ」と指示されました。勿論、前座噺です。
ここで、「私は"廓噺"や"人情噺"がやりたい」なんて言ったら、「10年早い、一昨日来い!」なんて罵倒されたものです。
現に、私の同期は私を含めて5人でしたが、「浮世床」「転失気」「桃太郎」「孝行糖」そして「あたま山」でした。
私の1年下の後輩たちも、「たぬき」「子ほめ」「牛ほめ」「雑俳」「元犬」「道灌」「だくだく」「やかん」・・・。
最初は生意気を言っていても、高座経験を積み、落語の知識がだんだん増えて来ると、最初の先輩の言葉が的を得ていたことを痛感します。
どの世界にも、基礎や基本、準備(見習い)期間というものはある。
スキーもゴルフも、最初からゲレンデやコースには出られません。
落語にも、当然、基本を覚えて鍛える時期が必ず必要です。
勿論、スポーツのように厳しいものではありませんが。
それから、歴史や背景など、それぞれのベースとなる教養やマナーも不可欠です。
では、落語を語るに当たって、なぜ「前座噺」が必要なのか。
前座噺は、落語を演じる上での基本的な発声や仕草などを身につける教材であること。
それから、実は、これが重要だと思うのですが、一般教養(薀蓄)を学ぶ教科書であること。
前座噺の多くで共通しているのは、歴史や文学や芸術、礼儀やマナーに関することが出て来ること。
例えば、「道灌」では、太田道灌のこと、「七重八重・・・」の短歌。
「子ほめ」では、「栴檀は双葉より芳しく・・・」のことわざ。
「たらちね」でも、「自らことの姓名は・・・・、恐惶謹言」の口上。
「牛ほめ」では、「檜造り、備後の五分縁、天角、地眼・・・」の知識。
落語国で出会う知識や情報がたくさん詰まっています。
ところが、社会人のグループでは、単なる好き嫌いで演目を選ぶ人が横行します。
勿論、それはそれで否定をすることではありません。
落語を楽しむ方法は、それぞれ自由ですから。
しかし、噺の大きさや背景も知らずに、やれ「紺屋高尾」だの「お見立て」だの「厩火事」だのをやろうとする人には、何とも言えない気持ちを禁じえません。
しかも、女性が・・。
落語上達のためには、演目には、自ずと順番があると思うのです。
三流亭流三三流亭流三
昨日「牛ほめ」を演読しました。
師匠からは、遠慮のないコメントが飛んで来ます。
・・・でも、演っていて感じる楽しさは、大きな噺、人情噺にはないものがある。
交流稽古で参加して、この稽古を聴いてくれた真仮名さんからメールがあり、「牛ほめの与太郎はもちろんですが、お父っつぁんと伯父さんが素敵でした。与太郎への愛情を感じました」とコメントしてくれました。
とても嬉しい。
この噺は、伯父も父親も、愚かしい与太郎が可愛くて仕方がないところが基本になっている噺だから。
やはり、前座噺をしっかりやらなくてはいけないと痛感します。
一昨日の「牡丹燈籠」も、こういう基本を教えてくれる噺の経験や知識の上で出来上がっていると思っています。
稽古とは 一より習い十を知り 十よりかへる もとのその一
これは、千利休の有名な言葉です。
茶道に関わる言葉ですが、私は落語をやっていて知りました。

どんな世界であれ、達人と呼ばれる人は日々の修練を怠らない。
繰り返し行ない身についたものは、やがて無意識にできるようになるが、真の達人は、何かが身につく度に新たな学びを発見する。
そうやって1を10にしたあとは、再び1から学びが始まる。
稽古や学びにこれでいいという終わりはない。
練習を重ねれば重ねるほど、学べば学ぶほど自分の無知や未熟さを思い知らされる。

暫く、「前座噺」の稽古をしてみようか。

なぞかけ(8/21)

sunsun新しい朝が来た、希望の朝だ・・・、ラジオ体操ではありませんが、なぞかけがルーティンになって来ました。
【たがや】
・「馬上の侍」とかけて
・「最高の条件提示」と解く
・その心は「話がたがや(違や)しませんか?」
【初天神】
・「恒例の神事」とかけて
・「最高の条件(うまそうな話)」と解く
・そのに心は「あれは全部うそ替え(嘘かい)?」
【平林】
・「平林さん」とかけて
・「ヨーロッパの大都市」と解く
・その心は「平林(ベルリン)でしょう」
【権助提灯】
・「点けっ放しの提灯(明るい所で消さない)」とかけて
・「お妾さんを囲う人」と解く
・その心は「どちらもものの無駄でしょう」
【三方一両損】
・「3文入った財布を拾った」とかけて
・「大岡越前守の名裁き」と解く
・その心は「今度は三方一文損にしましょう」
【人情八百屋】
・「鳶と八百屋の子ども争奪のかけひき」とかけて
・「ことわざが当たらない」と解く
・その心は「鳶が鷹、瓜の蔓に茄子が反対の結果になりました」
【つる】
・「鶴が狐にもらった皿のスープ」とかけて
・「鶴が狐にあげた壷に入った肉」と解く
・その心は「他人を傷つけた者は、いつか自分も同じように傷つけられるでしょう」
【宿屋の富】
・「一番富に当たった旅人」とかけて
・「ホテルのベッドのフットスロー」と解く
・その心は「布団(ベッド)に土足で寝ても構わないでしょう」
r 【藪入り】
・「熊さんと亀ちゃん親子」とかけて
・「青春18きっぷ」と解く
・その心は「一日で日本一周は到底無理でしょう」
【粗忽の使者】
・「地武太治部右衛門」とかけて
・「体操の白井健三選手」と解く
・その心は「どちらもひねりが欠かせません」

2017年8月20日 (日)

なぞかけ(8/20)

8月も残すところ10日あまり・・・。
熱い夏の恋も、終わりに近づく頃でしょう。
【牡丹燈籠】
・「芍薬と牡丹」とかけて
・「スクワット」と解く
・その心は「立ったり座ったりするでしょう」
【萩褒め】
・「萩を詠んだ和歌」とかけて
・「儚い男女の仲」と解く
・その心は「萩褒め(かりそめの)恋でしょう」
【おはぎ大好き】
・「おはぎとぼた餅」とかけて
・「物事を決められない人」と解く
・その心は「どちらが美味いか迷っているでしょう」
【花色木綿)】
・「こそ泥」とかけて
・「重大な国際紛争」と解く
・その心は「コソ泥(コソボ)ドロドロです」
【松曳き】
・「植木職人」とかけて
・「大論争の終結」と解く
・その心は「ここいらで松曳き(幕引き)にしましょう」
【大工調べ】
・「大岡越前守」とかけて
・「歓びの合唱の指揮者」と解く
・その心は「大工(第九)の調べが不可欠です」
【転失気】
・「お寺の和尚さん」とかけて
・「ノーベル賞受賞者」と解く
・その心は「さすがに転失気(見識)が高いでしょう」
【鬼の涙】
・「落語を聴いた鬼」とかけて
・「2018年日本はどうなる」と解く
・その心は「鬼が笑います」
【明烏】
・「潔癖症の若旦那」とかけて
・「不倫現場に踏み込んだ女房」と解く
・その心は「あぁ汚らわしい(明烏)!」
【平林】
・「平林さん」とかけて
・「アメリカとロシアの国境」と解く
・その心は「ベーリング(平林)海峡でしょう」

2017年8月19日 (土)

なぞかけ(8/19)

最近は、落語っ子連のメンバーからも、多く投稿されています。
【鰍沢】
・「身延詣り」とかけて
・「某国のクーデター計画」と解く
・その心は「とても久遠(不穏)でしょう」
【試し酒】
・「酒の量」とかけて
・「たっての願い」と解く
・その心は「五升(後生)だから」
【五百羅漢】
・「羅漢さん」とかけて
・「視力検査」と解く
・その心は「裸眼(羅漢)で調べます」
【一人酒盛】
・「茶碗に注いでこんもり盛り上がった酒の表面」とかけて
・「奢れる平家は久しからず」と解く
・その心は「表面が"平清盛"じゃあいけません」
【釜泥】
・「釜を盗んだ泥棒」とかけて
・「道に迷ったのに気がついた人」と解く
・その心は「そう釜泥(そうか、戻ろう)」
【長屋の花見】
・「たまりにたまった店賃」とかけて
・「村の言い伝え」と解く
・その心は「親父の代にあった(払った)らしい・・・」
【五人回し】
・「騒がしい客」とかけて
・「お雛さま」と解く
・その心は「五人回し(五人囃子)の笛太鼓」
【明烏】
・「若旦那」とかけて
・「たらふく餌を食べて満腹で寝た熊」と解く
・その心は「大変結構な”おこもり”で・・・」
【狸の札】
・「札に化けた狸」とかけて
・「ゲリラとの市街戦」と解く
・その心は「十円札(銃殺)されてしまいます」
【狸の札】
・「狸が化けた十円札」とかけて
・「台風が来たお祭り会場」と解く
・その心は「みんなたたんでしまいます」
【らくだ】
・「らくだ」とかけて
・「惚れて惚れて惚れぬいた女」と解く
・その心は「あキャメル(諦める)ことが出来ません」
【薬缶】
・「薬缶」とかけて
・「三遊亭圓生師匠」と解く
・その心は「"あかん(やかん)たれ"に出ています」

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