落語・噺・ネタ

2018年4月25日 (水)

大蔵次官

music ユーチューブで、面白そうな、タイムリーな名前の噺を見つけました。
      大蔵次官
九代目桂文治師匠の「大蔵次官」という噺。
https://www.youtube.com/watch?v=p3dj0qibX2U
音源は、1964年11月のもの。
大蔵次官は、今は財務次官ということ?
自分がその主人公になったように噺はじめる。
どこでどんな吉運が待ち受けているか分からない。
掛け持ちで新宿の末広亭が9時半。
8時頃、須田町で都電を待っていると、万世橋方向から来た車がカーブを曲がり損なって転覆。
運転手(運天死)は死んだが、車の中から十九ぐらいの女性が助けを求めていた。
ガラスを破って助け出し、出血していたが背負って神田駅前の外科に担ぎ込んだ。
新宿で仕事があったので帰ろうとすると、住所を聞かれたので、台東区稲荷町の高安留吉、お時間ですからの、お後がよろしいようでの、落語家で桂文治と自己紹介をした。
1週間もすると女性も癒えて退院し、お礼がしたいからと使いの者が尋ねてきた。
高利貸しの使いと勘違いして居留守を使ったが、麹町からお礼に来た事が分かり同道する。
主人と会ったが、お嬢さんがそんなに優しい人なら、婿に欲しいという。
私は落語家だけれどもそれでも良いのかと念押しすると、それでも良いという。
こんな立派な家だが、借金だらけで、一緒になったとたん越後鉄道の収賄で捕まる事はないですよね。
お嬢さんも喜んで赤坂のホテルニューオータニで式を挙げた。
お父様は大蔵大臣だった。
落語家の息子ではしょうがないので、大蔵省の課長級にポストを探した。
その時、大蔵次官が失態をしたので、辞職させ家の倅を次官にさせようとした。
お前は次官(時間)で交代したらいいだろう。

・・・何か訳が分かりませんが??

2018年4月20日 (金)

「算段の平兵衛」の速記

book落研の大先輩の但馬家四分椿師匠から、「算段の平兵衛」の速記をいただきました。
「算段の平兵衛」の速記
桂文珍師匠の口演を収録したもののようです。
「算段の平兵衛」は、上方落語です。
やり手がなく滅んでいた噺を、昭和の戦後に三代目桂米朝が先人から断片的に聞き集め、復刻した大ネタ。
くすぐりが非常に少なく、なおかつ人の死体やエゴに満ちた登場人物を陰惨に感じさせずに描写する必要があり、演者にとっては技量が試される。
三代目米朝は「悪が栄えるという内容なので、後味が悪くならないように演じるのが難しい。平兵衛をどこか憎めない男とか、共感するようなところあるように描かないと落語として成り立たない」と論じている。

四分椿師匠から、「乱志さん、よかったら、この噺をやってもらえないか」と言われました。
「別に、急がないから、良かったら・・・。」ということで。
知らない噺だったのですが、「それじゃあ、音源や資料を集めてみます」と答えました。
昨日、四分椿師匠が、この噺の速記のコピーを持って来てくださったという訳です。
とある村の年老いた庄屋は村の中でひそかに、お花というを囲っていたが、悋気持ちの自身の妻(以下、婆)に知れてしまった。
庄屋は「お花を村から追い出すのは忍びない」と思い、通称「算段の平兵衛」と呼ばれる、就農せずに人間関係や金銭問題の仲裁を専業としている村の男にお花を嫁がせることに決める。
平兵衛は庄屋がお花に支払った手切れ金をたちまち遊興に使い果たし、お花の着物も道具も勝手に質に持ち出すに至って、夫婦そろって生活に行き詰まる。
平兵衛はお花に「美人局をやれ」とけしかける。
なけなしの金で酒を用意し、お花が色仕掛けで庄屋を誘惑して夫婦の家に呼び込み、酔った庄屋がお花に迫った瞬間に、身をひそめた平兵衛が捕まえ、金をゆすろうという計画だ。
平兵衛のたくらみは首尾よく成功するが、平兵衛が殴った途端に庄屋は死んでしまう。
夫婦そろって驚き慌てるが、平兵衛は一計を案じる。
夜になり、平兵衛は庄屋の死体を、庄屋の家の前まで運び、庄屋の声色を使って家の中の婆に「今、平兵衛のところから戻った」と告げた。
婆は「お花のもとへ通っていて帰宅が遅くなったのだろう」となじり、戸を開けない。
平兵衛は狼狽したふりをし「庄屋が締め出されて謝ってる、てな恥ィさらされん。村の衆に見られたら、首吊って死ななしょうがない」と言うと、婆は「甲斐性があるなら、首でも何でも吊れ!」と言い放つ。
「よう、そのひと言を言うてくれた」
平兵衛は、庄屋が身に着けている帯をそばの木の枝にくくり、そこに庄屋の死体を吊るして帰宅した。
しばらくして外の様子を見た婆は仰天する。
「首吊りは変死じゃ、村の庄屋がお上の詮議を受けるようなことになれば家の恥・村の恥……。算段の平兵衛に相談せな」平兵衛の家に駈け込んだ婆は、平兵衛に25両を払い、問題のもみ消しを依頼する。
折りしも、隣村は月明かりの下で盆踊りの練習をしている最中だった。
平兵衛は死体に浴衣を着せ、自分も浴衣に着替え、頬被りでそれぞれの顔を隠して、死体を背負って隣村へ向かう(このとき、下座から「堀江盆踊り唄」が流れる)。
平兵衛は死体を抱えたまま踊りの輪の中にまぎれ込み、死体の冷たい手で隣村の男たちの顔をなで回す。
行事を冒涜されたと感じて激高した隣村の男たちは、暗くてよくわからないままに死体の手をつかみ、一斉に殴りかかる。
死体をすかさず放り出した平兵衛は夜陰にまぎれて姿を消す。
男たちがぐったりしている人間の顔を確認すると、隣村の庄屋であり、すでに死んでいたため、「殴り殺してしまった」と勘違いし、「算段の平兵衛に相談せな」と、25両を持って平兵衛の家に駈け込む。
「明るみに出れば、ふたつの村がかたき同士になる。どうか丸い話に……」
平兵衛は「これからわしが庄屋の家に行って、『庄屋を捜しに行こう』という名目で婆を崖下へ連れ出す。お前らは崖の上まで死体を運んで酒盛りをしている振りをし、わしが提灯で合図をしたら、庄屋が誤って落ちたように装って崖から死体を落とせ」と提案する。
その一方、婆に対しては「隣村の男を25両で買収し、もみ消す話をつけてきた」と吹き込んで連れ出し、庄屋の死体が崖から滑り落ちる様子を見せる。
こうすれば、婆や隣村の男たちがすでに庄屋の死を知っていることを、お互いに関知しなくなり、川向うの薮医者が検死の結果事故死と診断するので、下手人は出ず、死んだ庄屋も面目が立ち、婆と隣村の男たちは、お互いに「自分たちが庄屋を殺した」と思っているので口止めがきき、そして、平兵衛にとっては双方から金をもらったことおよび、平兵衛こそが庄屋殺しであること自体を誰にも気付かれないという「算段」であった。
その後、平兵衛の近所に住む盲目の按摩師・徳の市が「最近金回りがよいようで……。ちょっとしのがせてもらえんか」と、くり返し平兵衛をゆすり始める。
誰もが恐れる平兵衛を金づるにする徳の市に対し、村人たちは疑問に思う。
「平兵衛の痛いとこ握ってるか知らんけども、こんなことしてたら、終いにはどえらい目に遭いよるで」
「昔から言うやないか、『盲ヘエベエに怖じず』」(「盲蛇に怖じず」の地口)

・・・という、まぁ、物凄い内容です。
また、ほとんどの場合、サゲまで演じられず、徳の市が登場する直前で「この辺で失礼をいたします」と噺を打ち切る演じ方が一般的なようです。
サゲの元となる「盲蛇に怖じず(=物事を知らぬ者は、その恐ろしさもわからない、というたとえ)」が近年ほとんど使われなくなっていて多くの聴衆に理解されない可能性が高いうえ、放送問題用語を含んでおり、さらに「取って付けたような頼りないサゲであり、しかも語呂が良いとも言いにくい」(三代目米朝談)ため。

文珍師匠は、庄屋の細君と隣村連中ら見事50両を手に入れた翌朝、お花が平兵衛を裏切って50両全てを懐に入れると書置きを残して姿をくらましてしまう。
書置きを読んで事態に気づいた平兵衛に「誰か算段してくれるものはおらんやろか」と言わせてサゲています。

◇桂米朝師匠の「算段の平兵衛」
https://www.youtube.com/watch?v=JGRznn8u7x4
◇桂文珍師匠の「算段の平兵衛」
https://www.youtube.com/watch?v=lE_lS70yzCc
・・・さぁ、どうしましょうか。
暫く、温めて行きたいと思います。

2018年3月27日 (火)

子別れ(子は鎹)

school、「永久さんは、学生時代から落研でやっていたから・・・・(別格だ、上手い)」などと言われることがあります。
先日の「千早亭落語会」の時も、扇子っ子連のメンバーの方から言われました。
確かに、大学の4年間は落語研究会(当時は落語研究部と言っていませんでした)に在籍しました。
しかし、落語に直接触れていたのは、このたった4年間だけです。
従って、個人差はあるでしょうが、一般的に、落研部員が4年間でやれる(人前で演った)噺は、10~15程度ではないかと思います。
子別れ
私は社会に出てから10年前まで、落語とは完全に離れました。
だから、落語のキャリア何十年・・なんて、とんでもない。
スタート時のアドバンテージは4年だけです。
師匠が指南される多くの連は、新しい一部の連を除いて、スタートして4年以上経過しているところが多くなりました。
ということは、落語のキャリアは大学生と同じになるんです。
仕事だとか、年齢的な部分もあるかもしれませんが、学生とて一部を除けば「落語漬け」になっているのではなく、趣味としてやっている程度です。
ということは、同レベルに上達していて全く不思議ではない。
ところが、正直なところ、数をこなして慣れて来た人は大勢いますが、上達している人はあまり(ほとんど)いない気がします。
そのレベルの自覚もなく、大ネタを臆面もなくやる人も多い・・。
最初から、話が脱線してしまいましたが、次の噺に「子別れ」を考えています。
落研時代から、ずっと憧れ、いつかはと思っていた噺です。
初めて聴いたのは、落研に入部して最初の発表会。
当時4年生だった「喰亭寝蔵」師匠が、トリで演った時でした。
「いつかは上手くなって、寝蔵師匠に負けないような噺にしたい」と思い続けました。
が、現役時代(在籍中)は、なかなか勇気と自信がなくて、とうとうチャレンジすることが出来ませんでした。
その後一度、今から10年余り前、麻雀亭駄楽師匠との二人会でやろうと思った矢先に、駄楽師匠が急逝されてしまい、文字通り"お蔵入り"なってしまいました。
・・・師匠にご指導をいただいてから10年が過ぎました。
そろそろ、開かずの扉を開けても許されるだろう・・・ということで。
先日の稽古で、師匠にも経緯を話して、始めました。
自信があってのことではありませんが、あの時の寝蔵師匠に近づき、天国の駄楽師匠に報告が出来ればと思います。

次の噺は・・・

flairさて、次の噺ですが・・・。
5月の「お江戸あおば亭」は、既に「火事息子」の再演を決めて、ネタ出しをしています。
7月の「深川三流亭」では「子別れ」か。
そして、9月の「千早亭落語会」か11月の「お江戸あおば亭」では、複数のご贔屓からは「八五郎出世」か「天災」あたりが挙がっています・・?

2018年3月26日 (月)

「長短」の感想

smoking「長短」という噺は、恐らく10分程度のものだと思います。
師匠の高座本でも10ページ足らず。
だいたい1ページ1分程度だと思いますので、一部カットする部分と、仕草が入る分をプラス・マイナスしても、普通はそんなものでしょう。

発表会で、自分の自己紹介だとか、最近の出来事だとかをマクラで話す人が多くいます。
ご本人は、自分をアピールしたいのか、受けを狙っているのか・・、マクラのうちは調子よく話していて、いざ本題に入ると途端にペースダウン・・なんていう人も多くいます。
私は、マクラというのは、雑談ではなくて、あくまでも本題の導入や仕込みだと思いますから、ほとんど語ることはありません。
尤も、出前落語会で、会(連)の紹介などは語ることはあります。
特に「長短」のような短い噺は、プロの噺家さんは、時間稼ぎのために、長いマクラになります。

ユーチューブで聴いた先代の桂文治師匠など、東京落語会の映像で、30分のうち20分がマクラでした。
私の「長短」は、珍しくかなり早い段階で師匠の高座本から離れて、オリジナルを加えました。
ですから、稽古で通すと20分以上かかってしまうという・・・。
「杉は直ぐ、松は歪みて面白し、人の心も木なり奇異なり」を冒頭に語り、すぐに本題に入りました。

私の「長短」を聴いてくださった、さるご贔屓から感想のメールを頂戴しました。
今回の「長短」、すごい噺になりましたね。
人情噺ではないのに、客席が、水を打ったように静かになっていた時間があったんですよ。
それは、長さんの仕草の場面です。
みんな、固唾を呑んで見守っていたというのか・・・。

特に、煙管のところ。
短七つぁんがしびれを切らした瞬間に、笑いが爆発する。
完全に客席が、一体化していました。
こんな反応になる噺だとは、思いませんでした。

ただし、ほかの人は大笑いしていましたが、私は、饅頭をあんまりくちゃくちゃ音をさせるのは・・・?
何人か、永久さんが終わった瞬間に帰る人がいたので、お目当てにしているファンがいるんだなと思いました。

・・・そうなんです。
饅頭を食べるシーンを厚くしたので、ちょっとしつこくなるかと思ってはいました。
なるほど、次回からは気をつけて演りたいと思います。

前回の「試し酒」と今回の「長短」。
高座本に書いてある台詞以外に、仕草や表情を見せる噺で、間のもたせ方は難しいと思いましたが、ある程度はクリア出来たのかもしれません。
あれは、今まで表現したかった"間"だったと思います。
台詞でなく、仕草や表情あるいは空気で表現する無言の時間。
これが出来ると、人情噺の奥行がさらに深くなると思います。
暖かく、さりとて鋭いご指摘に感謝です。

2018年3月21日 (水)

ごひやく都々逸(3/21)

cherryblossomそろそろお花見の季節です。
[あたま山]
・五人十人 百人頭に やけで騒いで くだを巻き

※ご挨拶 m(_ _)m
昨年の秋から、師匠に出された宿題「ごひやく都々逸」を、毎日アップして来ましたが、ちょっと一休みさせていただこうと思います。
「三段なぞかけ」と「ごひやく都々逸」は、必ず再開したいと思いますので、暫くお時間を頂戴します。
・・ということで、最後のお題は、私が生まれて初めて演った「あたま山」で締めたいと思います。
私も、空っぽの自分の頭に身を投げることにいたします。

2018年3月20日 (火)

ごひやく都々逸(3/20)

sunこれも落語の中の落語と言う噺だと思います。
[明烏]
・"ご利益稲荷"に 一人でお籠もり やがて気がつく 廓茶屋

2018年3月19日 (月)

ごひやく都々逸(3/19)

cloverこれまた人気の噺です。
[青菜]
・ごちそうするぞと 冷でもなくて 焼いた鰯を 食らわせる

2018年3月18日 (日)

バカ野郎!

flair私の「長短」の最大の課題は、オチの前に短七が長さんに向かって言う「バカ野郎!」と言う台詞です。
バカ野郎!
これは、歩き方稽古や自宅の部屋ではなく出来ない・・・。
街中や家中でやったら大変なことになります。
やはり、車の中かな?
それにしても、15分程度で終わる噺で、とても楽しい・・・。
今回は、師匠の高座本での演読はほとんどせず、高座本を離れて自分の息で作ってみました。
私には、窓口さんや越児さんのような"フラ"がありませんから、どうやって可笑しくするのか・・・、産みの苦しみでもあります。

ごひやく都々逸(3/18)

sunこれまた前座噺の名作です。
[狸の札]
・ご恩返しに ひと化け狸 柔な財布を 食い破り

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