流三が三三の新三?
5月5日(火・祝)に、紀伊國屋ホールで気になる落語会が。
ひた走る柳家三三が世話物名作「髪結新三」長講一席に挑む!
江戸の初夏をたぎらす、欲と面子の突っ張りあい
~「髪結新三」とは~
江戸享保年間に実際に起きた事件をもとに、初代・春錦亭柳桜が『白子屋政談』として口演。
明治に入り河竹黙阿弥によって劇化され「梅雨小袖昔黄八丈(つゆこそでむかしはちじょう)」、通称「髪結新三」として歌舞伎の人気演目となる。
初物好きな江戸ッ子の胸を騒がす初鰹の季節を背景に、白子屋の娘お熊の身をめぐり、髪結い稼業で小悪党の新三、侠客の弥太五郎源七、老獪な家主の長兵衛、それぞれにひとクセある男たちが面子をかけてぶつかりあう。
柳家三三による『髪結新三』口演は10年程前に高座にかけたまま封印。
今公演で初めて語りおろす場面を多く盛り込んでの「初がたり」として挑みます。
柳家三三による「髪結新三」、お見逃しなく!
この噺は、三遊亭圓生師匠の音源でぐらいでしか聴くことが出来ませんから、是非聴いてみたい。
流三が三三の新三を聴くってことですよ。
《髪結新三 上》
みかんの交易で財をなした紀伊国屋文左衛門。
二代目になって先代の残した百万両という財産を残らず使ってしまいます。
番頭の庄三郎は傾きかけた紀伊国屋に見切りをつけ、自分で商売をしたいと暇を請い、退職金として千両をもらって白子屋という材木商を興します。
紀伊国屋の得意先をもぎとり、三年経たないうちに蔵を建てるほどになります。
紀伊国屋はほどなく倒産、文左衛門と女房二人は深川にひっそりと暮らしていましたが、文左衛門が亡くなり葬儀の費用もなく庄三郎に用立てを願います。
しかし庄三郎は仮病を使って応対に出ず、わずか三分(七十五銭)の金を渡します。
積善の家に余慶あり、積悪の家に余殃有りで、人に不実なことをすれば身に報うもの。
庄三郎は六十を過ぎて中気になって倒れ、商売もうまくいかなくなり、さらに土蔵に泥棒が入って六百両の金を盗まれ身代が傾いてきます。
庄三郎には妻のお常との間に、器量は良いが派手好きな娘お熊と勘当同然の庄之助という放蕩息子があり、持参金目当てにお熊の婿を探して大伝馬町の大店桑名屋の番頭又四郎を五百両の持参金を持って婿に入れます。
お熊は手代の忠七と想いを交わしていましたので、四十男の又四郎を嫌って日々鬱々と暮らします。
回り髪(髪結い)の新三は白子屋に出入りをして店の者の髪を直していますが、かねてよりお熊に惚れていて、なんとか自分のものにならないかと思案しています。
お熊の髪を結う時に懐から手紙がのぞいているのを抜き取って忠七への恋文と知ると、忠七を呼び出して手紙を渡し、自分の家に二人でお逃げなさいと勧めます。
夕刻に二人で出てきた忠七とお熊、お熊は駕籠に乗せて先に自分の家へ行かせ、忠七を突き飛ばしてあの女は俺の女だ、お前はダシに使っただけだと言って去ってしまいます。
《髪結新三 下》
翌日、白子屋では連れ去られたお熊を取り戻そうと抱え車夫 善八に十両を持たせて新三の家に行きますが埒が明きません。
源七という親分に頼み、源七気が進まないながら新三の家に行きますと、新三は、娘はかねてより私と一緒になりたいと言い、連れてきたのだが家の汚さを見て心変わりしたようで、縄で縛って押入れに転がしてある。
お金はいらないから二三ヶ月暮らさせてほしい。
それが過ぎたら、本人の意思で返す、この件だけは目をつぶって帰ってくださいと泣きつきます。
それでも源七「源七が来たのだ。黙って返せ」と言いますと新三は大きな顔をするなと開き直り、源七が怒って匕首を抜こうとするのを善八が必死で押しとどめます。
憤懣やるかたない源七が新三の家を後にしますと、大家の長兵衛が源七を呼び止め、自分の家に招き入れて親分の代わりに三十両で話をつけると引受けます。
・・・長講です。
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