人生会議?
何と言ったら良いのか・・・、悪意はないんでしょうが、どうにもセンスのない広報や宣伝が多いこと。
人生の最終段階でどのような対応をしてもらうことを望むのか、家族ら大事な人たちと話し合っておくことに、「人生会議」と愛称をつけた厚生労働省。
その「人生会議」を広めようと作られ公表されたPRポスターが、がん患者団体や遺族から猛反発を受けているそうです。
ポスターは「人生会議」のキャンペーン事業を受注した吉本興業が作成し、「人生会議」という愛称の選定委員にもなったお笑いタレントを起用。
このタレントさんは50代だった母親を亡くした経験があるそうです。
ポスターでは、タレントさんが死を目前とした患者として酸素チューブを鼻につけ、ベッドに横たわりながら、心の声を明かしている内容になっています。
青ざめた暗いイメージで撮られた写真に重ねられているのは、自身の望みを伝えることができなかった家族に対する不満の言葉です。
《まてまてまて
俺の人生ここで終わり?
大事なこと何にも伝えてなかったわ
それとおとん、俺が意識ないと思って
隣のベッドの人にずっと喋りかけてたけど
全然笑ってないやん。
声は聞こえてるねん。
はっず!
病院でおとんのすべった話聞くなら
いえで嫁と子どもとゆっくりしときたかったわ
ほんまええ加減にしいや
あーあ、もっと早く言うといたら良かった!
こうなる前に、みんな
「人生会議」しとこ》
タレントさんの胸の上には、心電図モニターのような波状の線が平らになったところが重ねられており、死の直前であることを強く匂わせています。
・・・何が言いたいのか。
そもそもこの「人生会議」、最初に愛称が決まった時も、がん患者団体からは違和感を抱く声が多く聞かれていました。
その違和感の正体が、今回のポスターでますますはっきりしたと話す人がいます。
「家族と話し合う内容が、どうやって死ぬのか、となっているのに違和感があるのです。患者の立場になれば、どうやって死ぬかを話し合いたいのではない。その瞬間までどう生きるか、どう過ごしたいかということを話したいのに、『死』に焦点が当てられているのです」
死について語るのに、笑いや冗談の風味がまぶされていることに違和感を抱いている人も多いはずです。
人の生き死には洒落になりません。洒落にしてはいけません。
まぁ、人のことを何とも思っていない企業が作ったものですから、こんな所に頼むのが悪い。
厚労省は予定していた自治体への発送をやめ、ホームページへのPR動画の掲載も見合わせた。
・・・タレントさんには申し訳ありませんが、気色悪いし、余計なお世話でしょう。
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