あのお寺でも
台風の被害が明らかになっています。
「鹿野山神野寺」・・・と言えば、地元や檀家ではない私でも知っています。
名刹らしいですが、それで知っているのではなく、かつて「虎騒動の寺」で、あまりにも有名になりましたから。
住職が飼っていたベンガル虎が3頭逃げ出して、約1ヶ月間大騒ぎになりました。
このお寺の国指定の重要文化財「表門」。
室町時代に建てられた貴重な建造物だそうですが、今回の台風で全壊したそうです。
思えば、熊本地震の時の熊本城もそうでしたが、ここのところの自然災害で、もう何百年もの間風雨に耐えて来た堅牢な建物が全半壊するのを多く見せつけられていますが、それほど、それぞれが未曽有の自然の猛威だったということ。
それにしても、これが在りし日の表門の写真ですが、右側に「ペットの入堂お断り」という立札がありますが、中にトラがいたんじゃなかなか入れませんなぁ。
約40年前の騒動後に、トラの飼育はやめたようですが。
【神野寺虎脱走騒動】
千葉県君津市で昭和54年8月、寺で飼われていた2頭のトラがおりから脱走。
うち1頭は警察官や消防団、猟友会員など延べ計約7700人を動員した大捜索網をかいくぐり、約1ヶ月間、周辺の山林を逃走。
民家の飼い犬を食い殺すなどし、市民らはトラの襲撃におびえる恐怖の夏を過ごした。
当時、寺では動物好きの住職がトラやクマなどを集め、地元民らから人気を集めていた。
飼育係が8月2日夜、檻の鍵が外れてトラ12頭のうち3頭がいないことに気付き、翌3日未明に県警に通報。
1頭はすぐ発見されたが、1歳のオスとメスの2頭が姿を消した。
子トラとはいえ、体重約100キロ、体長約1・5メートル。
人々を恐怖に陥れるには十分な大きさ。
未曽有の事態に県警は急遽現地対策本部を設置。
警察官や消防団、猟友会など計約500人をトラ捜索に動員。
周辺住民(80世帯、240人)に外出禁止令が出され、市内には「トラが脱走しました」という有線放送。
メスのトラは逃走2日後の4日朝に射殺された。
だが、トラを射殺したことで思わぬ波紋が広がった。
全国の動物愛護団体などから「射殺するな」「かわいそうだ」と多数の苦情が寄せられ、射殺した猟友会員の家では苦情の電話が鳴りやまなかった。
寺側もトラの射殺に反対し、捜索隊の士気に大きく影響した。
射殺か生け捕りか。
方針が分かれたまま続けられた別の1頭の捜索は難航。
11日には県警が警察官や消防団・猟友会員ら計約2800人を動員して大捜索を実施したものの発見には至らず、県警は事実上の捜索中断を発表。
しかし、28日早朝、寺から南東に約4キロ離れた民家の犬がトラに襲われた無残な姿で見つかり、「住民への被害が出る前に射殺しなければ」という気運が高まった。
県警の高い射撃技術を持つ「トラ捜索選抜隊」と猟友会員らが足跡などをたどって山中を捜索、茂みの向こうにトラの影を発見。
午後0時20分ごろに射殺した。
檻の鍵について、寺側は一貫して「施錠していた」と主張したが、県警は現場検証の結果、鍵はかけられていなかったと判断。
残った動物は他の動物園に引き渡され、猛獣の飼育やめた。
この事件をきっかけに、国は危険動物の飼育規制強化に動き、環境省はこの事件を受け、各都道府県知事らに対し、猛獣などの危険動物の飼育・保管に関する条約の制定を急ぐよう通知。
千葉県も11月「危険な動物の飼養及び保管に関する条例」施行。
・・・最近、野生の熊が人家に近づく、街中に出没するなどで問題になっていますが、犠牲者が出ないうちに、対策を講じないと。
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