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2019年6月19日 (水)

先日の「朝日名人会」

先週の「朝日名人会」は、久しぶりに楽しみました。
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プロデュースしている京須偕充さんが「落語みちの駅」でコメントしています。
朝日名人会も190回を迎えました。
99年2月スタートの朝日名人会は当初の短期間、年6回制でしたが、すぐに年10回に固定して今日に至りました。
この日は、柳亭市楽「御血脈」三笑亭夢丸「徳ちゃん」橘家圓太郎「猫の災難」入船亭扇遊「一分茶番」桂文珍「天神山」。
お客様からのアンケートに若手が熱演でよかったとの声がかなりありました。
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市楽さんも夢丸さんも芸柄が大きく勢いがあって客席からの反応にもパワーが感じられました。
朝日名人会のお客には若手を暖かく見守る習性が身についてきていて結構なことです。
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「徳ちゃん」はホール落語向きのネタではないけれど、いやみなく明朗に演じて演者が噺に市民権を与えた観があります。

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「猫の災難」は柳家系でない演者で聴くのは久しぶり。

楷書の芸が酔態の崩れをどう表すか楽しみでした。
結果は成功。あまりくどくせず、猫退治のリハーサルのくだりもコンパクトで楽しめました。
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扇遊さんは十八番の「一分茶番」で余裕たっぷりの口演。

篤実な芸風の人が素人芝居のドタバタを軽やかに展開していくうちに、洒落や滑稽がさりげなく市井を満たしていた時代にタイムスリップしていくのを感じました。
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はめものが大活躍する上方の大ネタ「天神山」は誠に結構と申し上げる他ありません。
ただし「葛の葉」の神秘にあまり深入りせず、サラッとまとめてくれました。
長屋の清やんと喜公が狐の正体を見破るくだり、狐が呪いのことばを吐くくだり、そして「コン」と「来ん」の駄洒落のサゲも改良してメルヘン風な地語りで噺を締めくくったのでした。
・・・若手の評判が良かったというのは、その通りだと思いました。

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