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2019年5月10日 (金)

「五百羅漢」の構成

例えば、落語と講談の大きな違いの一つに、語りの進め方があります。
講談は、「地語り」で(説明して)進めて行きます。
一方で、落語は、「地語り」でなく、「台詞(会話)」で進めて行くことが多いです。
「五百羅漢」の稽古をしていますが、師匠の高座本は、メインのところは台詞(会話)ですが、人情噺でもあり、「地語り」の部分もかなりあります。
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「おっかぁ。それじゃ明日、この子を連れて五百羅漢寺へ行ってみようじゃねぇか。」
五百羅漢寺、今は目黒にありますが・・・(寺の説明)。
明くる朝、熊さんたち三人はまいちゃんを真ん中に、手をつないで羅漢寺へやって来た。
そして、羅漢堂へ入って、薄暗い中、羅漢さんを見て歩いた。
「さぁ、まいちゃん、羅漢さんが大勢いるから、お父っつぁんに似た羅漢さんを探そう」・・・・。
例えば、これを全て台詞だけで展開して行く。
まず、寺の説明はマクラでやっておく。
「おっかぁ。それじゃ明日、まいちゃんを連れて、三人で羅漢寺へ行ってみようじゃないか」
「そうだね、お前さん。」
(ちょっと間を空ける)
「さぁ、まいちゃん。今日は羅漢さんを見に行こう。おじさんとおばさんと手をつないで」
「まいちゃん、一緒に行こうね」
(ちょっと間を空ける)

「ほうら、まいちゃん。ここが羅漢寺さんだ。この中に羅漢さんが大勢いるからね」
「まいちゃんのお父っつぁんに似た羅漢さんがいるといいね」・・・。
噺のクライマックスの、親子が対面するシーンも、地語りは原則カットして、仕草と台詞だけでやってみる。
「ちゃ~~ん!」
「あ、は、花ぁ~!」
親子が抱き合って、涙を流しながら、大きな声で泣く。
薬缶の水を飲む場面も、説明(地語り)は入れず、仕草だけで表現する。
大小の虹が出る場面は、熊さんに言わせる。
・・・これで作り直してみよう。
間に合うかなぁ?

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