落語の書評
こんな書評があるそうです。
相変わらず、落語本の出版も続いています。
裏切り、怨念、なんのその!
落語の神様――三遊亭圓朝の激動の人生を、新田次郎賞&本屋が選ぶ時代小説大賞W受賞の奥山景布子が描いた傑作長篇。
「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」など数々の怪談、人情噺を残し、江戸と明治を駆け抜けて、芸能の怪物となった三遊亭圓朝。
しかし、その実人生は「まさか」の連続だった。
師匠に嵌められ、弟子は借財まみれ、放蕩息子は掏摸で逮捕。売れない修行時代から、名人にのしあがった晩年まで、不屈の魂に燃えた〈大圓朝〉、堂々たる一代記。落語の神様もつらいよ!
「傑出した文化は鎖国から生まれる」。
一時の立川流はまちがいなく鎖国社会だった。
そのうえ、落語というのは、面白さがわからない人にはわからない。
いくら説明してもわからないという「閉鎖的」な芸能だ。
落語立川流は、そうした閉鎖性の強い落語+長いあいだ鎖国状態でもあった。
寄席で修業できなかろうが、昔の落語ファンから罵声をあびようが、「談志の価値観がすべて」「この生き方が正しい」そう信じて修業を重ねてきたアウトロー集団。
自分たちの文化こそ最高と考えていた鎖国状態で修業を積み重ねてきた。その修業の結果がいまあらわれはじめている。
いまでは、落語界を牽引する志の輔、談春、志らく、談笑《立川流四天王》を育てた「談志イズム」「談志イズム」とはなにか、談志原理主義の著者が本書で語り尽くす。
『立川流鎖国論』を改題 。
筆者が上方落語の魅力に溺れた一九七〇年代、
その中心は俗に「四天王」と呼ばれる六代目笑福亭松鶴、桂米朝、三代目桂春團治、桂小文枝(後の五代目文枝)の四人の師匠連であった。
最後の一人となった春團治師も二〇一六年一月九日に八十五歳で亡くなり、ひとつの時代が終わった感がある。
本書では三十八の演題を厳選、懐かしい師匠たちの舞台裏話から芸の魅力、人の魅力、お囃子さんまで、四十年の思い出を語り尽くす。
番外として、タモリが吉原で発見し、鶴瓶が演じ、歌舞伎になった新作落語『山名屋浦里』の裏話を収録。
・・・ご興味があれば。
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