乱志十八番「大金」三題
落語には、お金が出て来ます。
それも、一文などの少額なものだけでなく、何両、何十両、何百両という・・・。
「千両みかん」などは、その名のとおり千両。
そういう意味では、非常に景気が良いというか、インフレと言うか。
私の十八番でも、高額なものが出て来ます。
尤も、演者によって、同じ噺でも金額が違う場合もあります。
まずは「帯久」。
帯屋久七が和泉屋与兵衛から借りる金額は、10両・30両・50両・70両・100両・・・。
残高の最高は、元金100両が最高ですが、借り入れた元金の総額は、260両になります。
さらに、大岡越前が裁きの中で、帯久に課す利息が、年6分で10年ですから60両。
次に「浜野矩随」。
矩随が命を懸けて彫った観音像を、若狭屋は50両と評価します。
さらに、矩随の評判が全国に広がると、上方の商人の手代が来て、矩随の作品を欲しがりますが、若狭屋は下手だった頃の失敗作「河童狸」を500両と吹っかけます。
そして「文七元結」。
左官の長兵衛が佐野槌から借りたのが50両、文七が掏られたと思った売掛の回収額が50両。
さらに、近江屋がお久を身請けした額は、恐らく50両のはずです。
都合150両の現金が動くことになります。
所謂「切り餅」と言われる25両の包み。
これでちょうど100両ということになります。
当時の金額を現在に引き直してみると、これも諸説あるようですが、どうやら1両は現在の8~10万円程度だと思われます。
ということは、帯久が一旦返したものの、盗んだのは1000万円ほど。
矩随の観音像とお久が佐野槌に身を売った金額は500万円ということになります。
「河童狸」は5000万円と言うことになりますが、なんでも鑑定団の先生の評価額はどうでしょうか?
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