乱志十八番「母と子」三題
男の子は皆、マザコンだと言われます。
落語に出て来る母親にも2種類あるかもしれません。
昔の制度の中で、自分を犠牲にしても息子を助けようとする母親。
ただただ、可愛い息子に対して愛情を注ぐ。
「浜野矩随」の母親は、色々議論のあるところですが、息子矩随を奮い立たせるために、我が身を捧げる。
「笠と赤い風車」でも、息子(実は本当の息子ではない)常吉の旅の無事をひたすら祈る。
「火事息子」の母親は、大事な息子を勘当されてしまうが、ひたすら息子藤三郎を思う。
これは、理屈を超越したもので、善悪としいう次元のものではありません。
我が身を分けた子というのは、父親には絶対に理解できない領域です。
だから、息子も感情で接する。
ところが、母親の深い愛を息子が知るのは・・・。
落語の中の母と子も、悲しい。
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