乱志十八番「悪人噺」三題
落語にも悪人は登場します。
「花色木綿」は、空き巣ですから、窃盗罪と不法侵入罪。
落語の泥棒は、有名どころは出て来ません。
石川五右衛門の子分の、子分の、また子分の石川一衛門半。
何をやってもうまく行かないから、泥棒でもやってみようという「でも泥」。
親方から仕事のやり方を教わっても、いつもドジばかり。
法律上は罪になりますが、やっていることは罪のない・・・。
「帯久」は、現金を盗む窃盗罪とお白州で虚偽を陳述する偽証罪が成立するかな?
落語には珍しい悪人です。
「そちも悪よのう・・」も、何れは、しっぺ返しを食うというのが常道。
これで、聞き手の溜飲が下がるというものです。
こういう、因業な人物は、「唐茄子屋政談」「匙加減」「人情八百屋」「鹿政談」など、大家や商人や役人・・。
落語国では、必ず懲らしめられます。
「花筏」は、偽の大関で興行する詐欺罪。
最近でも、昔の人気タレントや歌手を語る輩がいますが、この情報化社会では、すぐにばれてしまいます。
ところが、昔は、大関に仕立てられた提灯屋さんも、最後までバレませんでした。
むしろ、「さすが大関!」と感動されるほど・・・。
とんでもない詐欺ではありますが、誰も不幸になっていないというのが、この噺、この落語の物凄いところだと思います。
本物の大関は病気で大変ですが、他の人たちは、みんなハッピーです。
大関花筏の部屋の親方を詐欺罪で立件しますか?
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