「粗忽長屋」のイラスト
これはよく描けていると思います。
ただし、八っつぁんと熊さんの顔は、逆の方がイメージに合う気がします。
八っつぁんが兄貴分で、まごまごする熊さんを無理やり連れて来るので。
そんなことはどうでも良いのですが、これも落語らしい噺です。
ただいま、落語っ子連では、千公さんがチャレンジしています。
浅草観音詣でに来た八五郎は、昨晩、身元不明の行き倒れが出た現場に出くわす。
役人たちは通行人らに死体を見せ、知り合いを探していた。
死体の顔を見た八五郎は、同じ長屋の熊五郎だと言うが、同時に「今朝、体調が悪いと言っていた」というので、周りの人たちは、行き倒れが出たのは昨晩だから人違いだと指摘する。
しかし、八五郎は聞く耳を持たず、熊五郎本人を連れてくると言って長屋へと引き返す。
長屋へ帰ってきた八五郎は、熊五郎に対し、お前が浅草寺の近くで死んでいたと言う。
熊五郎は自分はこの通り生きていると反論するが、八五郎はお前は粗忽者だから死んだことに気づいていないなどと言い返し、最終的に熊五郎は言いくるめられ、自分は死んでしまったと納得する。
そして熊五郎は自分の死体を引き取るために、八五郎と共に浅草寺へ向かう。
浅草観音に着いた熊五郎は、死人の顔を改めて間違いなく俺だと言う。
周囲の者たちはそんなわけはないと呆れるが、熊五郎も八五郎も納得せず、しまいに熊五郎は自らの死体を担いで帰ろうとする。
役人たちが止めに入り、喧々諤々の押し問答となる。
そしてそのやり取りが佳境に入ったころ、熊五郎は「どうもわからなくなった」とつぶやく。
「抱かれているのは確かに俺だが、抱いている俺は一体誰だろう?」
・・・逆さオチと言うのでしょうか?
「やい、この…俺め」と、熊さんが言うセリフが最高ですね。
« 乱志十八番「ご当地噺」三題 | トップページ | 落語DEデート »
「落語・噺・ネタ」カテゴリの記事
- 稽古をした演目(2020.09.09)
- 十八番(2020.07.13)
- 「紺屋高尾」と「幾代餅」(2020.06.18)
- 落語DEデート(2020.05.24)
- 古今亭志ん朝を聴きながら(2020.05.23)