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2019年2月17日 (日)

落語DEデート

朝寝をしながらスタッフラジオを聴くのも、贅沢かもしれません。
猫好きなゲストらしく、猫が題材の噺2題でした。
◇「猫の災難」  八代目三笑亭可楽
落語DEデート
朝湯でさっぱりして長屋へ帰って来た熊五郎、酒は飲みたし銭はなし。
表を隣のおかみさんが鯛の頭としっぽを持って通った。
猫の病気見舞いにもらった鯛で、身の柔らかい所を食べさせて、残りを捨てに行くという。
熊さんは、もったいない眼肉が美味いんだと、頭としっぽだけの鯛をもらい受ける。
そこへ兄貴分が来て、胴の所にザルを被せた鯛を見つけ、尾頭つきの鯛で一杯やろう、酒は自分が買って来ると言って出て行く。
今さら頭としっぽだけの鯛とは言えず困った熊さんは、隣の猫に登場してもらうことににする。
兄貴分が一升の酒瓶を抱えて帰って来ると、熊さんは、おろした鯛の身を隣の猫がくわえて行ってしまったとごまかす。
隣に文句を言って来いという兄貴分に熊さんは、日ごろ隣には世話になっているから我慢してくれと言う。
しぶしぶ兄貴分は代わりの鯛を買いに行った。
さあ、目の前に酒瓶を置かれた熊さんは、もうどうにも止まらない酒好きだ。
兄貴はあんまり呑まないから、一杯ぐらいならと呑み始め、もう一杯、また一杯、そのうちにうっかり酒瓶を倒し、畳に口をつけちゅうちゅうと吸い出す呑兵衛ぶりだ。
もう酒瓶には少ししか残っていない、また隣の猫にお出まし願うしかなく、「隣の猫がまた来たから、追いかけたら座敷の中を逃げ回って、逃げるときに酒瓶を後足で引っかけて、全部こぼしちまった」と言いわけすることにし、そうと決まればこれっぽちの酒を残しておいてもしょうがないと全部呑んででしまった。
風呂上りですきっ腹に冷や酒を一升、すっかりいい気持ちになった熊さんはそのまま畳の上にゴロッとなって寝てしまった。
やっと鯛を見つけて買って帰った兄貴分は、酒が一滴もないのにびっくり、また隣の猫の仕業にする熊さんだが、へべれけに酔っぱらっている熊さんを見て、「てめえが呑んじゃったんだろ」に、熊さんは、「猫が倒してこぼれたのを吸っただけだよ」とまだ言い逃れしている。
兄貴分は「よーし、おれが隣にどなり込んで、猫に食うもの食わせねえからこうなるんだって文句を言ってやる」と息巻く。
そこへたまりかねた隣のおかみさんが来て、「ちょいと熊さん、いい加減にしとくれ。さっきから聞いてりゃ、隣の猫、隣の猫って。家の猫は病気なんだよ。お見舞いの残りの鯛の頭としっぽを、お前さんにやったんじゃないか」で、悪事露見、これで全部バレバレとなった。
兄貴分「この野郎、どうもようすがおかしいと思った。やい、おれを隣に行かせて、どうしようってえんだ」
熊五郎「だから、猫によ~く詫びをしてくんねえ」

落語DEデート
・・・これは、酒を飲んでだんだん酔っ払って行く野を演じるのが難しいですが、恐らく、やっていて面白い噺だと思います。
いかにも落語らしい噺です。
◇「猫と金魚」  八代目橘家圓蔵(月の家圓鏡)
売れに売れていた圓鏡時代の音源です。
落語DEデート
主人「番頭さんや、金魚鉢に入っている金魚、無くなってるんだけど、どうしたい?」
番頭「私ゃ食べませんよ」
「お前が金魚を食べたと誰がいったんだ」と主人は小言をいう。
主人によれば、金魚をとって食べるのは隣の猫に違いなく、猫が悪さをしないように金魚鉢を高いところに置いてほしい、と番頭に頼む。
番頭は「高いっていうと、銭湯の煙突の上とかですか?」とボケる。
主人は「バカなこと言うんじゃない、自宅の風呂場(湯殿)の棚の上に金魚鉢を置けばいいんだ」と命ずる。
番頭は、何を考えたか金魚をすべて金魚鉢から外に出し、金魚鉢だけを棚の上に置く。
主人は「おいおい、なぜ金魚を水から出すのだ、私ゃ金魚の干物を見たいんじゃないんだよ」と諭す。
番頭は金魚を金魚鉢の中に入れた。
するとさっそく猫が現れて金魚鉢に接近し、金魚をつかもうとしはじめる。
番頭はこの状況をゆっくりとした、慇懃な口調で主人に知らせる。
主人は番頭に猫を追い出すように命じるが、番頭は「自分の生まれ年がねずみ年なので、猫は苦手で、闘えません」という。
主人は当てにならない番頭を置いておいて、鳶頭のトラさんを呼びに行った。
虎だから猫より強いだろうという期待があったためだ。
トラさんはやたら威勢のいいおあにいさんで「世の中に怖いものなどない」と豪語する。
主人は風呂場の金魚鉢の猫を追い出すよう命ずる。
トラさんは風呂場で猫と争った挙句、悲鳴を上げた。
主人が風呂場に駆けつけると、棚は破壊され、金魚鉢は真っ逆さまにひっくり返り、トラさんは金魚鉢の水を頭からかぶって気絶している。
主人がたたき起こすと、トラさん曰く「猫に襲われて、心臓をかじられた。これは私の心臓のかけらです」と手の中に入っていたものを主人に見せる。
びっくりした主人は、トラさんの手の中にあるものを見て二度びっくりした。
「トラさん、それ金魚じゃないか、そんなに握ったら死んでしまうよ。どうしたいトラさん、早く猫を捕まえておくれ」と改めて主人は頼む。
今度はトラさんは「猫は怖いから嫌です」と打って変わって弱気である。
主人「猫が怖いって、おまいさんトラさんじゃないか」
トラさん「名前はトラですが、いまはこのとおり『濡れねずみ』になりました」。

落語DEデート
・・・田河水泡作の名作。
こういう噺を覚えておくと、様々な場所で、気がるに受けますね。
落語DEデート 「猫の皿」「猫怪談」「猫定」「猫久(猫は出ない?)」などの噺もありますし、例えば「火事息子」では、おかみさんが猫を抱いている場面も出て来ます。

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