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2019年2月20日 (水)

「饅頭怖い」のイラスト

この噺も有名だと思います。
饅頭怖いのイラスト
暇をもてあました街の者が数名集まり、それぞれ嫌いなもの、怖いものを言いあっていく。「クモ」「ヘビ」「アリ」などと言い合う中にひとり、「いい若い者がくだらないものを怖がるとは情けない。
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世の中に怖いものなどあるものか」とうそぶく男がいる。
他の男が「本当に怖いものはないのか」と聞くと、うそぶいていた男はしぶしぶ「本当はある」と白状する。
「では、何が嫌いなのか」と念を押され、男は小声で「まんじゅう」とつぶやく。
男はその後、「まんじゅうの話をしているだけで気分が悪くなった」と言い出し、隣の部屋で寝てしまう。
残った男たちは「あいつは気に食わないから、まんじゅう攻めにして脅してやろう」と、金を出し合い、まんじゅうをたくさん買いこんで男の寝ている部屋へどんどん投げ込む。
目覚めた男は声を上げ、ひどく狼狽してみせながらも、「こんな怖いものは食べてしまって、なくしてしまおう」「うますぎて、怖い」などと言ってまんじゅうを全部食べてしまう。
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一部始終をのぞいて見ていた男たちは、男にだまされていたことに気付く。
怒った男たちが男をなじり、「お前が本当に怖いものは何だ!」と聞くと、
「このへんで、濃いお茶が1杯怖い」。

・・・ まぁ、笑いの多い噺です。
直接の原話は1768(明和5)年に出版された笑話集「笑府」の訳本からと見られる。
中国における似た笑話は宋代の葉夢得の随筆「避暑録話」や、明代の謝肇淛「五雑組」にもある。
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(↑1776年刊風来山人編「刪笑府」より「まんじゅうこわい」)
日本の小咄・軽口集では他に1662(寛文2)年刊の「為愚痴物語」に御伽衆・野間藤六のエピソードとして登場するほか、1776(安永5)年刊の「一の富」、1779(安永8)年刊の「気のくすり」、1797(寛政9)年刊の「詞葉の花」に同型のものがあるそうです。
由緒正しい?噺なんですね。
・・・落研先輩の「二代目狐狸亭酔狂」師匠の十八番でした。

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