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2019年1月 7日 (月)

落語「穴子でからぬけ」

さぁ、落語国のスーパースター「与太郎」の登場です。
落語の素晴らしさは、この与太郎が大活躍しているところだと言っても過言ではありません。
素直な目で?実に世の中や大人の世界の矛盾を憑いて来ます。
落語「穴子でからぬけ」
この噺も、下手に知恵のある人が欲をかくばかりに、与太郎にやられてしまいます。
与太郎は落語に登場する架空の人物。
「熊さん八っぁん」などと並ぶ、代表的な落語の登場人物。
例外なくぼんやりした人物として描かれる。
性格は呑気で楽天的。
何をやっても失敗ばかりするため、心配した周囲の人間から助言をされることが多い。
こうしたキャラクターから、与太郎の登場する噺は爆笑ものが多く、与太郎噺と分類される場合もある。
さらに「愚か者」の代名詞となっており、楽屋の符丁としてこのような人物を表す際にも用いられている。
   
落語「穴子でからぬけ」  
この噺は、与太郎が機知を見せる滑稽噺。
原話は、1772(明和9)年に出版された小咄本「楽牽頭」の一編「なぞ」。
マクラを除くと口演時間が非常に短く、演者の持ち時間が少ない場合に演じられる「逃げ噺」のひとつとして知られる。
主な演者に、林家彦六師匠、六代目三遊亭圓生師匠、六代目三遊亭圓窓師匠らが知られる。
なお、この演目自体が別の演目のマクラに振られることも多く、四代目春風亭柳好にこの演目を「牛ほめ」のマクラとして演じた音源が残っているそうです。
与太郎が源兵衛の家を訪ね、「俺がなぞなぞを出すから、源さんが答えられるかどうか賭けをして遊ぼう」と持ちかける。
源兵衛はしぶしぶ応じ、ふたりで小銭を出し合う。
与太郎は、まっ黒で、大きくて、足が4本あって、角があって、「モー」と鳴くものはと出題する。
源兵衛はあまりに簡単な問題に拍子抜けし、すぐさま「牛」と答えて小銭を取る。
次に、与太郎は、黒くて、くちばしがあって、空飛んで、「カアー」って鳴くものは」と出題する。
源兵衛は「カラス」と答えて小銭を取る。
(※演者によっては、さらに数問のやり取りを演じる)。
納得がいかない様子の与太郎は、高額の紙幣を出し、今度は難しいのを出すぞとすごむ。
あきれた源兵衛は与太郎をいさめるが、結局は賭けに応じることにする。
与太郎は、長いのも短いのもあって、太いのも細いのもあって、つかむとヌルヌルするものはと問う。
源兵衛は、俺が「ヘビ」と言ったらお前は「ウナギ」、「ウナギ」と言ったら「ヘビ」と言うんだろうとなじる。
与太郎が、両方言ってもいいよと言うので、源兵衛は「ヘビとウナギだ」と答える。
すると与太郎は、残念。「アナゴ」で、からぬけだ(=出し抜いてやった)」。
落語「穴子でからぬけ」
私の持ちネタには、実は賢い与太郎を描く「佃祭」と「猫怪談」があります。
「吉兵衛さん(お父っつぁん)、何で死んじまったんだよぉ」と、感情をぶつけます。
愛すべき与太郎が、落語国には大勢登場します。

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