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2019年1月13日 (日)

ラジオ寄席

今日は、「なるほどこの人のこの噺」という内容でした。
◇「鈴ヶ森」    柳亭左龍
昨年12月に鈴本演芸場で聴きました。
これ、左龍さんのキャラにも合って、十八番になっています。
ラジオ寄席
落語のヒーローの1人、間抜けな泥棒が主人公です。
ちょっと抜けている泥棒の見習いが、頭と追剝ぎの実地訓練に行くことになる。
頭が「舅に食わせるからむすびを風呂敷に包め」と言うと、「誰の舅ですか?」と、まだ泥棒の基礎知識も頭に入っていない。
舅はうるさいから犬の符牒なのだ。
頭が「ドスを差して行けよ」、見習い「どうしてドスと言ぅんですか」、「うるせぇな、ドッと刺して、スッて抜くからだ」と、頭はもう投げ槍だ。
頭、「表へ出ろ。戸締まりはしたか。近頃、物騒だからな」、「もう大丈夫です。物騒なのが二人出て行きますから」、なるほどごもっともだ。
頭は今日は鈴ヶ森で追剝ぎだと明かすと、見習いは「鈴ヶ森は幡随院長兵衛や白井権八みたいな強いのが出て来るし、暗くて怖いから、もっと明るい所にしましょ」なんてすっかり逃げ腰で頼りない。
頭は歩きながら追剝ぎの決まりゼリフを教える。
「お~い、旅人。ここを知って通ったか、知らずに通ったか。明けの元朝から暮れの晦日まで、俺の頭の縄張りだ。知って通れば命は無し、知らずに通れば命は助けてやるが、身ぐるみ脱いで置いて行け。嫌じゃ何じゃと抜かせば最後の助、伊達には差さぬ二尺八寸段平物をうぬが土手っ腹にお見舞え申す」だが、覚えられるはずがない。
見習いは、「紙に書いてください」、頭「こんな暗くて書けるか」、見習い「あっしも読めませんから、相手に読んでもらいましょ」と情けない。
やっと鈴ヶ森に着いて見習いは、竹藪に身を隠すが筍に尻を突かれもがいている。
そこへ旅人が通り掛かった。怖がる見習いを頭はポンと押し出した。
旅人の前で見習いはたどたどしく脅し文句を並べ始める。それでも何とか、「身ぐるみ脱いで置いて行け。・・・・・二尺八寸段平物をうぬが土手っ腹にお見舞え申す」にたどり着いた。
旅人は追剝ぎの様子から、とうしろう上り、泥棒の前座だなと見破り、「四の五の言うと首根っこ引っこ抜くぞ」と、反撃に出た。
すると、見習い泥棒「やめて、やめて! 身ぐるみ脱ぐから勘弁してください」

◇「ぐつぐつ」   柳家小ゑん
これはもう、小ゑんさんの自作自演です。
おでんの具を擬人化した噺です。
ラジオ寄席
オリオン座も明るいある冬の夜、緑色の三両編成の目蒲線がホームに入ってきます。
人々は足早に階段を降り、ひとつしかない改札を出ると左右に分かれていきます。
十年一日のごとくセルロイドの桜が満開の商店街。
西小山銀座通りから横丁に入ると、左右に冷たい自動販売機の光がポツンポツン。
魚屋さんのシャッターの前に屋台の明かりが見えます。
残業帰りのOLと言葉を交わし、忙しく働くおやじ。
その目の前の銅壺の中で煮立っているおでんたちの声に耳をそばだててみてください。
(ぐつぐつぐつ……)
「おい、こんにゃく、もう少し向こう行けよ」。
「はんぺんちゃんはいいねえ、色が白くて肌はつるつるで」
「絡んでくるなよ、糸こんにゃく」
「ゲソまきが蛸の足を踏んだ」
(ぐつぐつぐつ……)

・・・寄席で聴いたことがありますが、名作の部類に入る新作だと思います。

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