感性が通じる
先日の「学士会落語会」の新年交歓会では、同窓の先輩や他大学の先輩の何人かとお話をさせていただく機会がありました。
その中で、東大OBの「風呂屋さん助」師匠とは楽しく会話が弾みました。
さん助師匠は、東大落語会「武闘派」の筆頭と言われる名人。
昨年8月の「学士会落語会納涼寄席」では、私が主任で「怪談牡丹燈籠」を演らせていただきましたが、さん助師匠は中入り前で「文七元結」を熱演されました。
25分以内という、人情噺には厳しい条件の中で、しっかりと時間内で、客席の涙を誘っていました。
そして、中で、羽織を使ったオリジナルの演出もしておられて、大変驚きました。
実は、私も「文七元結」を持ちネタにしていますが、数年前の東大ホームカミングデーでさん助師匠の「文七元結」を聴かせていただいたのが、きっかけになりました。
いろいろ話をして行く中で、私が、噺を選ぶ時には「こんな(大きな・難しい)噺を演っても良いのだろうか」と自問自答(葛藤)がある・・と申し上げると、「いや私もそうだよ」と。
そう、アマチュアのトップレベルにある人ですら、噺の大きさ、舞台、テーマなどを知悉している故に、自身の技量で作り上げられるのかという不安と逡巡は常にあるものなんです。
「そう、そうですよね」と、思わず声を上げてしまいました。
落語(噺)に対する畏怖みたいなもの、言い方を変えれば謙虚さというものは、落語を知れば知るほど戒めて、謹んで行かなくてはいけない気がします。
今まで、「浜野矩随」「鰍沢」「子別れ」そして「文七元結」・・・、いつもどこからか「お前がやるにはまだ10年早い!」と言われているような恐怖を感じながら、それに負けじとやって来ました。
「さん助師匠、今年は何をお演りですか?」と尋ねると・・・
「いや、まだ誰にも言っていないんだけどね、●●●●●を演ろうと思って・・・」と、嬉しそうに仰いました。
「いいですねぇ。(誰から何か言われるかもしれませんが)楽しみにしています」と申し上げました。
(演目の「●●・・・」は、具体的にお聞きしましたが、今のところは非公開にしておきます。)
最後に、「お互いに良きライバルとして頑張ろう」と、ありがたい言葉も頂戴しました。
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