落語「荒茶」
1月8日は、実は私の誕生日です。
年齢は・・もう忘れました。忘れたい。
せっかくの誕生日には、あまり取り上げたくない噺なんですが、五十音順だから仕方がありません。
茶の湯自体は実に風流なんですがねぇ。
しかも、歴史上の人物(大名)が出て来るので、さぞや格調高い噺かと思いきや・・・(;_;)
豊臣秀吉の死後、その臣下の大名は石田光成派とその反対派に分かれて行きますが、この噺は反対派の大名達の茶事(茶会)での出来事です。
徳川家康の家臣で知恵者と言われた本多正信が催した茶事で、細川忠興、加藤清正、池田輝政、福島正則、浅野幸長、黒田長政、加藤嘉明の7人が招待された。
しかし、茶道の心得のあるのは細川忠興のみ。
そこで皆が申し合わせて細川忠興の真似をする。
それがとんでもないドタバタ劇となる。
濃茶の回し飲みをする途中、加藤清正の髭が茶の中に入ったり、池田輝政が一度飲んだ茶をまた茶碗に吐き出したり。
それを詰め(最後)の福島正則が一気に飲み干してしまう。
春風亭勢朝さん。
この汚い噺は、想像するだけでやりたくありませんが、東京では、春風亭勢朝さんが、例によって脱線しながら、よくやっています。
「本膳」の侍版のような噺ですが、下品な(不潔な)噺だと思います。
噺としては、それだけのものだと思いますが、噺家さんは、蘊蓄を知らないといけないかもしれません。
登場人物の細川忠興は、三斎の号を持つ、千利休に茶道を学んだ高名な茶人であったそうです。
ということは、これを演じるためにはしっかりした茶道の仕草が出来なくてはいけません。
それも真似事ではなく、格調高く出来なくてはならない?
噺家さんは、踊りや長唄などの古典芸能はもとより、歌舞伎、相撲などの蘊蓄。
さらに茶道の心得まで要求されるという訳です。
芸の道は、実に深いものです。
「茶の湯」は演っても良いと思いますが・・、この噺は・・・?
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