守破離、序破急、七つの声
世間数多ある稽古事で言われる言葉に「守破離」と「序破急」というのがあります。
これ、落語の世界でも言われている気がします。
【守破離】とは
修業における段階を示したものです。
「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
・・・まずは基本に忠実に、そして自分の芸を追究して、至芸にして行くプロセスです。
「序破急」は、小田急ではありません。
辞書で調べると、こんな意味が列挙されていました。
【序破急】とは
1 雅楽で、楽曲を構成する3つの楽章。
初部の「序」は緩徐で拍子に合わず、中間部の「破」は緩徐で
拍子に合い、終部の「急」は急速で拍子に合う。
2 芸能における速度の3区分。
「序」はゆっくり、「破」は中間、「急」は速く。
講談などの話のテンポ、邦楽などの演奏のテンポなどにいう。
3 芸能における演出上の3区分。
「序」は事なくすらすらと、「破」は変化に富ませ、「急」は短く軽快
に演ずる。能・舞踊などでいう。
4 能や浄瑠璃などで、脚本構成上の3区分。
「序」は導入部、「破」は展開部、「急」は結末部。
5 能などで、番組編成上の3区分。
五番立ての番組で、脇能を「序」、二番・三番・四番目を「破」、
五番目を「急」とする。
6 連歌・俳諧で、一巻(ひとまき)の運びを規制した形式・原理。
「序」は無事に静かに、「破」は曲折に富んでおもしろく、「急」は
さらさらと軽くつけ終わるべしとするもの。
7 すべての物事の、始め・中(なか)・終わり。
物事の展開してゆく流れ。
・・・いずれにしても、日本人は「3」が好きですから、様々な事象やプロセスを3区分しているんでしょう。
ここまでは、雅楽、能狂言、浄瑠璃、和歌俳諧、講談などの芸能全般に言えることなのかもしれませんが、落語には「7つの声」というのがあるそうです。
7つの声・・?
7つの顔のおじさんは知っていますが・・・。
【七つの声】とは
「男・女」と「老・壮・若」の組合せと自分の声のこと。
落語に必要な声。
この7つの声を演じ分けることなんですね。
でも、例えば、若い女性だからと言って、高い声にしたりすると言うことでもない。
噺の展開の中で、他の登場人物との関係や感情なども考えて。
若い女性が2人出て来ることだってある訳だし、明るい場面や悲しい場面もある。
7つの声ではなくて、7色の声が必要なんでしょう。
師匠からも言われたこともありました。
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