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2018年6月 6日 (水)

6月6日の稽古始め

今日は6月6日。
大阪は朝から雨。
歌の文句にあるように♪6月6日に雨ザーザー降って来て・・♪
さて、昔から、「6歳の6月6日にお稽古を始めると上達する」と言われています。
そう、6月6日は「稽古始め」の日なんです。
それではなぜ、稽古始めは、6歳の6月6日なのか?
6月6日の「稽古始め」は、伝統芸能の世界で始まりました。
そもそも、「稽古」っていうのはどういうことなんでしょうか?
ピアノ、ヴァイオリン、三味線に琴の稽古・・・。
「稽古」には深い意味があるようです。
稽古とは、ただ繰りかえし練習するということではありません。
「稽」は「考える」ということ。
「古」は、文字通り「古い」ということ。
即ち、「稽古」は「古(いにしえ)を考える」という意味があります。
楽器や舞踊などの芸能、そして、武術など、単に技術だけを学習するに留まらず、古くから伝わる書を読み、ものの道理や、儀式・法制・作法などの決まりや習わし、あらゆる先例を学ぶこと、それら全てを言うのです。
つまり、スキルだけ身に着けても、上達しないし、本物になれないということ。
「習い事の由来や歴史を知り、伝統を大切にし、人間的な成長を伴ってこそ、芸事というのは身に付くものだ」ということを、昔の人は言い伝えて来ました。
稽古始めを言い出したのは、「世阿弥」だそうです。
室町時代に能を大成した世阿弥は、「風姿花伝」という能の理論書を記しました。
その冒頭が、子どもの成長に合わせた芸のお稽古の有り方を説く「年来稽古条々」(ねんらいのけいこのじょうじょう)です。
一、この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす

・・・「習い事を始めるには数え7歳(つまり満6歳の年)がもっとも良い」と説いています。
・・・私も、6歳の6月6日から落語の稽古を始めていたら、「平成の名人」と呼ばれるようになったかもしれません。
50歳を超えてからの手習いでは、いかんせん遅過ぎました。

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