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2018年6月26日 (火)

浜野矩随(はまののりゆき)

運命を感じる噺です。
浜野矩随(はまののりゆき)
学生時代、夏休み(だったと思う)の帰省の途中で立ち寄った鈴本演芸場。
先代の三遊亭圓楽師匠が、トリでお演りになった「浜野の一席でございます」という長講。
「怠らで 行かば 千里の 果ても見む 牛の歩みの よし遅くとも」と、オチをつけず、ただ「浜野の一席でございます」で終えたから。
名前(演目)も知らず、一度も聴いたことのない噺。
漠然と、「いずれあんな噺が出来るようになりたいなぁ」と。
それから1年も経たない頃だったと思います。
レコード屋さんで見つけた圓楽師匠のLPレコード。
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何気なく手に取ると、「浜野矩随」とある。
「何て読むんだい、この字・・・」。
どうやら「はまののりゆき」と読むみたいだ。
「んっ?もしや、あの時の鈴本で聴いた噺では?」
なけなしのお金をはたいて買ったレコードを早速聴いてみると・・・。
「あぁ、これだ。この噺だった」。
それからは、「卒業するまでに演りたいなぁ」と夢見ていました。
浜野矩随(はまののりゆき)
・・3年生の時だったかなぁ、偶然、アルバイトで古今亭志ん三(後の志ん五師匠)と桂文平(後の柳亭楽師匠)のアテンドをしたことがありました。
私が落研部員だと知り、親しく色々話をしてくださいました。
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色々伺った中で、「アマチュアなんだから、思い切って大きな噺に挑戦するといいよ」と、アドバイスをいただきました。
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恐らく、そんなに深い意味もなく、お2人は仰ったんでしょう。
・・「そうか、躊躇わずに大きな噺を・・・」と、「甲府ぃ」「ねずみ」などを演った後、ずっと夢だった「浜野矩随」に着手しました。
4年生の秋の発表会の時に、ネタ下ろしをしました。 
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さらに、卒業してから、「OB落語会」で2度ほど演りました。
そして、創部50周年のOB落語会でも。
圓窓師匠に稽古をつけていただいて、千早亭、三流亭でも演り、お江戸あおば亭と行徳亭落語会でも・・・。
自分でも節目節目でやりたかったし、かなりリクエストもいただきましたので。
浜野矩随(はまののりゆき)
さらに3年ぐらいのブランクの後、稽古で師匠に聴いていただいた時、師匠が「うん、芸が荒れていない。大丈夫だ」と仰ってくださいました。
芸が荒れる・・・手を抜く・変な癖がつく・雑な語り・・・・とすれば、そういうことはないよと。
私の十八番の最右翼でもあり、いつでもどこでも演ることが出来、そして芸のバロメーターでもある噺。
鈴本演芸場で偶然出会ってから、42年ぐらい過ぎました。
まだまだ練り上げて行きたい大切な噺です。

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