落語に求められるのは
「大手町アカデミア」での、柳家権太楼師匠との質疑応答で。
権太楼師匠は、NHKの新人落語コンクールの審査員をされているそうです。
その審査についての裏話などをされた後で、落語のあり方について触れられました。
このコンクールで、ある前評判の高い若手が「湯屋番」か何かをやったそうです。
主人公の若旦那が瞑想する場面で、女性と絡む場面があります。
「雷様は怖けれど、私にとっては結ぶの神・・・」という濡れ場。
この若手の噺家さんは、自分の膝を崩しながら、裾をまくって緋色の長襦袢を出したそうです。
権太楼師匠は、「それをやったら、もうそれは落語ではない」ときっぱり。
ですから、少し辛らめの採点になったようです。
「裾を広げたり、乱したりしてはいけない。落語は品がなくてはいけない」と。
これは、落語っ子連の稽古で、常に師匠からも言われていることですから、よく理解できるものでした。
落語は、座布団の上に座っていれば何をやっても良い、というのではないんです。
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