時代考証?
昨日の稽古。
「寺子屋でやるの?」
「はい。江戸時代を舞台にしたいので、学校にしませんでした」
「もらった小遣いはいくら?」
「銭でもらうはずですから、100文ぐらいかと」
「天保通宝かな?」
「はい。調べてみます」
「小遣いで買うのは?」
「鉛筆という訳にはいかないので、筆と硯にしましたが・・・、少し高価かもしれないので、筆だけとか・・、ほかに考えてみます」
・・・・。
私の「子別れ」の時の師匠とのやり取り。
高座本では、亀ちゃんが「学校」から帰る途中で父親に会う場面。
私は、「寺子屋」に変えました。
そこで、舞台設定(時代考証)を考えないといけません。
まずは、父親からもらう小遣いの額。
かけ蕎麦一杯が16文の時代。
現代では、350~400円程度かな。
11歳の亀ちゃんが想定する(であろう)金額は、500~1000円ぐらいでしょうが、「こんなにもらってもお釣りがないよ」と言うんですから、2000円ぐらいでしょう。
ということは、だいたい100文ぐらいになりますよ。
それでは、亀ちゃんにあげる100文は、どんな銭で?
職人ですから金(金貨や銀貨)ではなく、銭のはずです。
当時流通していたポピュラーな銭は「天保通宝」。100文銭です。
しかし、ちょっと気になるのは、この銭はかなり大判だということ。
縦横3×5センチぐらいの様子。
子どもが手に握ることが出来るか?
握っているのを母親に見つかるんだから、これで行きましょう。
次に、寺子屋での文具。
亀ちゃんが手に手習いに必要なもの。
鉛筆に対して筆、ノートに対して手習草紙(子)にしましょう。
硯は値段が高そうだし、そんなに消耗するものではありません。
・・・よし。
これで行きます。
これで、江戸時代に舞台設定して、江戸の市井の一部分を描くことが出来ます。
こういう議論や考察もまた楽しい。
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