師匠の言葉
今回の「千早亭落語会」での「長短」で気をつけたのは、結局、師匠から指摘・アドバイスをいただいたところでした。
まずは、台詞を最後まで登場人物になりきってしっかり言う。
長さんがゆっくりした口調でボケて、短七っつぁんがイライラして早口で突っ込むというパターンですから、特に長さんの台詞を最後まで、ゆっくり、はっきり、しっかり言うようにと。
それから、短七っつぁんは、長さんにはイライラはしていても、本当に怒っている訳ではない。
口調はぞんざいでも、感情や表情は、怒っていないようにする。
最初から、あまり短七っつぁんが怒っているようにやると、聴き手の方が引いてしまうから。
最後の「バカ野郎!」は、本当に怒っているから、大きな声で怒る。
・・・そんなところを意識してやってみました。
以前、師匠と2人だけで話した時に、昭和の名人のことが話題になったことがありました。
古今亭志ん生、桂文楽、三遊亭圓生という昭和の名人3人。
一番印象に残っているのは、桂文楽師匠のこと。
一字一句寸分違わぬ芸が身上の文楽師匠のことは、誰でも知っていますが、圓窓師匠がしみじみ仰っていたのは、「文楽師匠はね。仕草をとても丁寧にやってたよ。」ということでした。
それを聞いて、昭和の名人と言われた人でも、否、人だからこそ、基本に忠実に描写していたのかもしれないと思いました。
元々江戸落語はお座敷芸で、特に文楽師匠は、時の著名人たちに呼ばれて、お座敷で落語を演ることも多かったから、仕草を丁寧に美しく仕上げたんでしょう。
それが非常に心に残っています。
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