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2018年3月26日 (月)

春風亭一之輔さんのコメント

例の、「林家九蔵襲名」に関わる件で、この林家一門に繋がる春風亭一之輔さんが、雑
誌でコメントしているそうです。
春風亭一之輔さんが、週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」で。
お題は、「待った!」。
「話題になってる落語界の襲名騒動ってどーなんですか? 一之輔さんの視点で鋭く斬り込んでくださいよ!」みたいなニュアンスで、担当編集さんから今回のテーマが送られてきました。
あのね、私ゃ波風立てたくないんだよ。
双方ともにお世話になってるんだから。
けっこう楽屋で会うんだから。
基本的に私は風見鶏で生きていきたいのです。
……仕方がない。
逃げたと思われるとシャクだからちょっとだけ。
ざっくり言うと、三遊亭好楽師匠の三番弟子・好の助さんが真打ち昇進にあたり、師匠の前名・林家九蔵を襲名する予定が林家正蔵師匠から『待った!』がかかった……と。
そういうことみたいです。
興味ある人はおのおの調べてください。
スポーツ報知・芸能面の関係者一覧表の片隅に私の名前が載ってましたけど、私は関係者じゃないからね!
もう事態は収まった様子で、三遊亭好の助の名前のまま昇進するみたいです。
で、世間的にはどうなのかネットを覗くと、匿名の方々いわく『こぶ平(現・正蔵師匠)のくせに偉そう』とか『落語もしないくせに生意気』とか……そんなのばっかでした。
なんだそらー。
全く関係ないじゃんか。
正蔵師匠は今、高座数の多さでは落語界でトップ10には入ると思いますよ。
地方の落語会・独演会、都内の寄席にも掛け持ちで出演して、この人が「落語やってない!」って言うなら、一体誰がやってんのよ?ってはなしです。
寄席の代演まで行くからね。
落語やって映画出てテレビ出て、いつ休んでんだろ? 
あと無関心な人に限って「下手」だって言いますね。
全く下手じゃないよ。
正蔵師匠の噺、ちゃんと聴けー。
毎日寄席出てっから!!
私は今回のことに関しては正蔵師匠のほうに理があると思うなぁ。
「待った!」を言ったのが正蔵師匠だったから目立っただけで、それ以前に誰も「それ大丈夫?」って言わなかったのかなぁ……とちょっと不思議。
それを認めると亭号・屋号がそのうちドガチャガになっちゃうかもですよ。
「堅いこと言うなよ」の『堅いこと』がかなり後々重要になってくると思うのです。
弟子に名前を継がせたいという好楽師匠のお気持ちもわかりますけど……。
でも一番大変なのは当人の好の助さん。
真打ち昇進ってお金がかかります。
「林家九蔵」で支度してたのが、手拭いを染め直したり、扇子を作り直したり……けっこうな支出でしょう……。
先日、二つ目の春風亭昇也さんに聞いたら、若手のなかで「好の助さんを盛り上げていこう!」という機運が高まっているそうです。
仲間がそう言ってくれるってことは、好の助さんに人望があるんだな。
ゴタゴタしましたが名前が売れるチャンスだと前向きに考えちゃったほうがいいね。
落語界も相撲界ほど物騒じゃありませんが、こういう出来事がたまにあります。
多少のゴタゴタがあるほうが健全な気がするなぁ。
個性の強い人間が集まった古い社会ですからね。
今回は落語家の『名前』について改めて考えさせられました。
楽屋でいろんな先輩・後輩の意見を聴けて勉強になったなぁ。
字数に限りがあるので続きはライブでしゃべります。
書けねえこともあるんす。
最後に言わせてもらうと、好楽師匠は親分肌のめちゃめちゃいい師匠だからねっ!!

・・・襲名に関しては全く道灌・・じゃなくて同感です。
どうも、マスコミや事情を知らない大衆は、好き嫌いの感情が出て、誰かを悪者にして集団でやっつけようとする傾向があるような気がしてなりません。
大人は、「好き嫌いで判断するのではなく、善し悪しで判断すべし」と、いつも師匠が仰っています。
そのとおりです。
寄席などでは、よく師匠方が、林家兄弟や海老名家をいじっていますが、これはあくまでも洒落で言っている訳で、それを真に受けた無知で無責任な人たちが「今の正蔵(こぶ平)が・・・、三平は・・・」と、根拠もなく騒ぐのも・・・、SNSの匿名性に乗じた、卑怯なやり方だと思います。
さらに、お母さんや姉妹までくっつけて・・・。
先日の堀井憲一郎さんのコメント、それから今回の一之輔さんのコメントと、正鵠を得ているものだと思います。

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