発表会
私は、落研OB落語会と師匠に師事する2つのクループで、それぞれ年2回の発表会(落語会)の機会があります。
従って、最低年6回は高座に上がることが出来る訳です。
ですから、まずは、それに向けて噺の稽古をし、練り上げ、完成させて行くことになります。
このプロセスは、いつも、楽しくも苦しくもあるものです。
稽古の成果を発表する場である訳ですが、中には、発表会に間に合わない、仕上げられていないままに高座に上がる人もいます。
思い起こせば、第一次落語っ子連の頃、初心者だったびす太さんが、高座の途中で詰ま
ってしまって、師匠が助け船を出したことがありました。
びす太さん、緊張して、台詞が飛んでしまったようで、この初々しさは、客席からも暖かい笑いと拍手が起こりました。
びす太さん、そのことが後々まで気になっていたようでした。
勿論、その後は、出来不出来はともかく、しっかり語っていました。
いつだったか、ある連の発表会を聴きに行った時、台詞に詰まった人が、懐から高座本を出して確認していました。
別の時も、高座本を見たり、読んだりする場面に出くわしました。
当然?、客席は大受けです。
・・・・?
落語に対するスタンスの違いと言われればそれきりですが、私にはどうも承服できないところがあります。
発表会では、少なくとも噺を完成させ、その時点でのベストパフォーマンスを発揮することが必須(それが目標)だと思います。
最初の重要なハードルです。
本番で高座本を読む人、いわばカンニングした人は、事情はあるのかもしれませんが、目標を達成出来ていないことになります。
さて、そこでさらに、取りあえず高座本を見ることなく最後まで辿り着いた人で、もう完成したと勘違いする人も多いようです。
発表会は、一定点でのベストであって、噺の完成度とは全く違うもののはずなんですが。
「この噺はもう卒業、さぁ次の噺」というパターンです。
一区切りではあるものの、決して完成ではありませんから、引続き、発表会の高座を振り返って、さらに磨きをかけることこそが必要なんですが。
こういう人は、一見持ちネタは増えるかもしれませんが、上達はしないでしょう。
落語を楽しむのは、人それぞれですから、全面的に否定はしませんが、こういう人とは同じ高座に上がりたくないと思います。
発表会は、落語(噺を作り上げる)の一つの区切りですが、決してゴールではありません。
第一チェックポイントであることを理解して欲しいと思います。
マラソンなら、せいぜい10キロポイントあたりでしょう。
落研に入部した時に、先輩から言われたことがあります。
受けたいか(笑いを取りたいか)?
それなら、舞台で高座に向かう途中に転んでみろ、客席は大受け(爆笑)になるだろう。
でも、そんな(落語ではない)笑いで良いのか?
我が落研には、そんな笑いは要らない。
落語そのもので勝負しなくては。
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