身延山奥之院
岳父の葬儀の祭壇に、「身延山奥之院思親閣」からの生花が供えられていました。
身延山と七面山という、日蓮宗の聖地に挟まれた場所に自宅があり、身延山久遠寺とも接点のある岳父でしたから。
身延山は甲斐の国、波木井郷の内にあり、南部六郎波木井実長公の領地でした 。
この南部氏というのが、隣の私の実家のある町の領主で、奥州南部氏のルーツです。
幕府を3度諌めて受け入れられなかった日蓮聖人は、山林に身を隠せとの古事にしたがい、文永11年(1274)5月17日に身延山に入山し、心安く法華経の読誦と門弟達への教育にあたりました。
この年は、まさにあの「元寇(文永の役)」の年と重なります。
身延山の山頂(標高1153メートル)にあるのが、「奥之院思親閣」です。
日蓮聖人の在山は9年間ですが、その間、故郷の事を思い出しては、西谷の草庵(久遠寺の脇)から50丁の道なき道を登り、遥か房州小湊の両親、師の道善房を追慕したという思親大孝の霊場です。
境内には、故郷を遥拝する日蓮聖人像があり、東の方には伊豆半島ならびに霊峰富士が展望できます。
石段の中程の両側には、日蓮聖人手植えの杉が700年以上を経た今も、雄壮な姿を見せています。
最近は、身延山にお参りしていませんが、落ち着いたら、奥之院までお参りしに行こうと思います。