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2017年9月 5日 (火)

女性噺家さんのコメント

「東京かわら版」9月号に、新真打特集が掲載されています。
その中で、「柳亭こみち」さんが、女性が噺をすることに関して、ちょっと触れていました。
プロアマを問わず、女性が落語を演ることについて、参考になると思いますので、紹介したいと思います。
(いつものことですが、決して「自分で楽しくやれればいいんだ」という方を否定している訳ではありません)
噺はやはり男性がやったほうが面白いようにできているので、そこをいかに自分が軽々と乗り越えているように見せるかを、いつも考えています。
「がんばってるな」って思われたら作戦ミスなんです。
同期の男性がどんどんプラスを積み重ねていっている中、どうしてもマイナスをゼロにする作業が大きい。
私がやる意味を考えつつ、私にしかできないことを一つ一つの噺で突き詰めて考えていきたいです。
[質問] 女の部分をどこまで出すか捨てるか加減していますか。
自然体でいること。
着物も私は男物は着ませんが、そのほうが自然だから。
お化粧も自然に。
髪型も古典をやる上で、顔と耳を出す。
噺は演出を変えて、出てこない女性を登場させたり、台詞を作り替えて成立させていきます。
女流とか、女性にしかできないとか、そういう言葉にずっとひっかかってきました。
私は落語をただまっすぐやりたいだけなのに、みんな私に「女性にしかできない落語を」とか言ってくるのはつらいなって思っていたんです。
でも私にしかできない噺って何かをつきつめると、結局そこだった。

・・・・・・
落語が男が作ったものであるゆえに、「女性はまずマイナスからゼロにする」作業が必要。
まさにそのとおりです。
それから、「女性にしかできない落語」というのは、まさに女性が、自然体で女性の了見でやる落語だと思います。
男の落語のコピーではなく、高座本の丸暗記でなく、男性が聴いても自然に受け容れられる噺を創っていただきたいと思います。

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