落語の発声(喉)
師匠から、まず最初に言われるのは「落語は大きな声を出して」ということです。
落語は話芸ですから、声が聴き手に正確に届いてなんぼです。
落研に入部した時、「お前は、とりあえず声がでかいのだけはいいよ」と先輩から言われました。
・・・別に、訓練したり、鍛えたりしたことはありませんが、どちらかと言えば、声は大きかったかもしれません。
語りの巧拙以前に、やはり声が聞こえる(=話している内容が伝わる)ことがまず大切ですから、声(喉)は大事な武器だということ。
大変生意気なことを言わせていただくと、プロとアマの最大の違いは、語る芸もさることながら、声(喉)だと思います。
科学的なことは分かりませんが、噺家さんが、毎日毎日繰り返して高座で発声している喉は自然に鍛えられ、生まれつきちょっと喉が強い程度のアマとは全く違います。
音圧、音質、音量の全てに、鍛えられた美しさがあります。
アマには到底真似することが出来ません。
技巧的にはいくらかでも近づくことは出来るかもしれませんが、声は一朝一夕、付け焼刃ではどうにもならないんです。
先週お邪魔した、烏山「烏楠」のご主人も、師匠の高座を初めて聴いた時、その声の迫力に驚いたと仰っていました。
今となってしまえば、どうしても取り戻せない時間ですから、絶対に敵わないとは言え、それなりに精一杯大きな声を出して頑張りたいと思います。
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