前座噺から次へ・・
落語っ子連の話をしたいと思います。
構成は、大学落研出身者が、越児さん、新参さんと私の3名。
高校時代に落語をやった経験があるのが窓口さん。
落語経験のなかった学校の先生が、千公さんと夢学さん。
落語経験がなかった若手の百梅さん。
落語経験は、千公さんと百梅さんが4〜5年ぐらい。
夢学さんが2年ぐらいでしょうか。
オジサンたち4人のうち、越児さん、窓口さん、私は、人情噺あるいは長講をやります。
新参さんは、肩の力を抜いて、滑稽噺志向。
千公さんと百梅さんは、「いつかは人情噺」と言っている。
最近、私が何となく提案しているのは、千公さんと百梅さんには、すぐに人情噺とまでは言いませんが、ストーリー性のある噺をやってもらいたいということです。
基本的に前座噺にチャレンジして来て、基本はそれなりに出来ていると思いますから、次のステップに行って欲しい。
だから、次回か、その次あたりは、お二人にトリを取ってもらいたいと思っています。
千早亭などでは、出演順をあみだくじで決めていますが、我々は以前から、演目を見て、発表会ではなく、落語会として番組を決めています。
それは、稽古の成果の発表だけでなく、ひとつの会として、それぞれの香盤(位置・出番)に求められるものを意識して高座に上がって欲しいからです。
開口一番も、仲入り前も、食いつきも、膝も、勿論トリも、会全体の流れの中で、それぞれミッションがありますから。
その最初のトライアル第一弾として、6月の「南行徳落語会」では、百梅さんに「夕立屋」でトリを取ってもらいました。
勿論、くじで決めた香盤ではありません。
トリというのは、その芝居の代表ということですから、責任のある位置であることは間違いありません。
「今日の落語会は良かった(悪かった)」の評価は、トリへの評価だと言っても過言ではないかもしれません。
百梅さん、緊張していましたが、堂々と立派に勤めてくれました。
また、この緊張の経験が、ご本人にとっても大きな自信、プラスになったと思います。
くじで決めたトリではありませんから。
百梅さんの持ちネタは概ね以下のとおりのはずです。
「狸の札」「転失気」「桃太郎」「出来心」「権助提灯」「替わり目」「猫の茶碗」「夕立屋」「火焔太鼓」・・・。
千公さんの持ちネタは・・・。
「十徳」「ぞろぞろ」「寿限無」「饅頭こわい」「やかん」「松曳き」「時そば」「三方一両損」「目黒の秋刀魚」・・・。
それぞれの噺では、個別の課題はあるかもしれませんが、ご本人たちが気がつかない部分で、しっかりと血や肉や骨格になっていることは間違いありません。
十分に力は蓄えられて来たと思います。
傍らでずっと拝見していて、私がそう確信しています。
ですから、「芝浜」「子別れ」とまで行かないまでも、是非とも自信をもって、次のステップにチャレンジしてもらいたいと思います。
師匠にも相談して行きたいと思います。
だから、オジサンたちには少し自重してもらわないと・・。
そんなこともあって、私も「牛ほめ」「天災」「小言念仏」「試し酒」「長短」「親子酒」あたりを考えています。
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