高座についての裏話
高座を設営するのに苦労します。
舞台・ステージがある会場でも、客席との高さ(角度)によっては、舞台の上にさらに台を置いて・・ということもあります。
会議室や研修室のような場所の場合は、机を並べて固定して、その上に毛氈をかけて作りますが、高座に上がるのに苦労します。
「一座高うございますが・・」と言いながら、結界を張って、こちら側は無礼講ということになります。
それでも、気を遣うこともあったそうです。
昭和48年3月に、皇后陛下古希の祝賀の余興として、六代目三遊亭圓生師匠が御前口演をされたことがあります。
天皇陛下が神だと教育された明治生まれの圓生師匠にとっては、最高の名誉でもあり緊張の絶頂でもあったことと思います。
http://ranshi2.way-nifty.com/blog/2011/08/post-eac1.html
その時、最初は高座が両陛下より低い高さだったそうです。
圓生師匠、恐る恐る宮内庁の役人に「落語の演技は動作を含め全体が芸になっておりますので、もしお許しを頂けるならば、陛下より一段高く高座を上げて頂けませんか」と注文を出したそうです。
陛下にお伺いをたてたところ、「そういう事であれば一向に差支えない」と仰せられ、一段高くすることができたそうです。
圓窓師匠も、高座を設営する時は、基本的には膝から上が見えるようにと仰います。
従って、場所によってはかなり高くなって、天井に頭がぶつかるほどの場所もあります。
裏を返せば、落語は小道具や大道具がありませんから、膝(腰)から上だけで全てを表現している訳で、それをしっかり見ていただかないと、ということです。
高いところに上がるのに、「お江戸あおば亭」では、談亭志ん志会長手作りの秘密兵器があります。
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