柳家小三治師匠語録
◆お客が第一なんだよ。
楽屋で偉い人踏んづけるとか、そんなことはどうでもいいんだ。
お客のためにやってんだ。
何があっても、高座に間違いがあっちゃいけない。
・・・そうそう、どこぞの世界のように、本質を忘れ、向くべき方向を失い、上に忖度するようになってはいけません。
◆人を笑わせることが大したこっちゃねぇってことに気づくんだな。
・・・これは、我々のような凡人には分からないところでしょう。
「たかが、されど・・?」と理解しておきましょう。
◆師匠の言うことならなんでも正しいと思うっていうのは、
“君”っていうアイデンティティがないってことです。
たとえ師匠でも、やってることが全部正しいとは思えない
はずなんです。
そんな(師匠に対して批判的な考えを抱いてしまう)人間的
なものの葛藤というか、そういうところから稽古をして欲しい。
・・・これも難しいところがあります。
サラリーマンの世界でも、組織のトップに対して、どう対処していくのか。
ただし、噺家さんの世界は、自分のアイデンティティそのもので勝負しなくてはいけない。
ある意味で、コンテンツは一つしかない訳ですから。
立川談志師匠などは、そういう反骨の塊だった気がします。
これも、本人の強い意思と実力がなければ・・。
◆ボクは、師匠小さんはほったらかしで何も教えてくれない、
と愚痴を言っている訳ではない。
その逆で、よくほったらかしにしてくださいました、という
気持ちでいっぱいだ。
・・・噺家さんにとって師匠というのは、親か、ある面ではそれ以上の存在のようです。
親(師匠)のあり方という、永遠の課題ではありますが。
子(弟子)の才能を見出し、子(弟子)を信じて見守るということなんでしょうか。
決して、無視している訳でも、放任している訳でもない。
大きな視野から俯瞰してくれているものなのでしょう。
それを理解する子(弟子)こそ、名人上手になるということかな。
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