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2017年8月22日 (火)

柳家小三治師匠語録

◆お客が第一なんだよ。
 楽屋で偉い人踏んづけるとか、そんなことはどうでもいいんだ。
 お客のためにやってんだ。
 何があっても、高座に間違いがあっちゃいけない。

・・・そうそう、どこぞの世界のように、本質を忘れ、向くべき方向を失い、上に忖度するようになってはいけません。
◆人を笑わせることが大したこっちゃねぇってことに気づくんだな。
・・・これは、我々のような凡人には分からないところでしょう。
「たかが、されど・・?」と理解しておきましょう。

◆師匠の言うことならなんでも正しいと思うっていうのは、
 “君”っていうアイデンティティがないってことです。
 たとえ師匠でも、やってることが全部正しいとは思えない
 はずなんです。
 そんな(師匠に対して批判的な考えを抱いてしまう)人間的
 なものの葛藤というか、そういうところから稽古をして欲しい。

・・・これも難しいところがあります。
サラリーマンの世界でも、組織のトップに対して、どう対処していくのか。
ただし、噺家さんの世界は、自分のアイデンティティそのもので勝負しなくてはいけない。
ある意味で、コンテンツは一つしかない訳ですから。
立川談志師匠などは、そういう反骨の塊だった気がします。
これも、本人の強い意思と実力がなければ・・。

◆ボクは、師匠小さんはほったらかしで何も教えてくれない、
 と愚痴を言っている訳ではない。
 その逆で、よくほったらかしにしてくださいました、という
 気持ちでいっぱいだ。

・・・噺家さんにとって師匠というのは、親か、ある面ではそれ以上の存在のようです。
親(師匠)のあり方という、永遠の課題ではありますが。
子(弟子)の才能を見出し、子(弟子)を信じて見守るということなんでしょうか。
決して、無視している訳でも、放任している訳でもない。
大きな視野から俯瞰してくれているものなのでしょう。
それを理解する子(弟子)こそ、名人上手になるということかな。

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