与太郎のキャラ
落語国の人気者の与太郎さん。
私の持ちネタでは、「猫怪談」と「佃祭」に登場します。
この与太郎のキャラ付けというか、口調はとても難しい。
「佃祭」では、最後の部分にちょっと出るだけですから、あまり苦労はしませんでした。
「猫怪談」では、まさに主人公なんですが、愚かしいとは言え、親孝行な与太郎ですから、それほど難しくはなかった気がします。
ところが、先日の「牛ほめ」では「猫怪談」の与太郎に近い感じでやってみたのですが、師匠からアドバイスがありました。
松竹新喜劇の藤山寛美さんのように、極端に鼻にかけて愚かしくやるのは、時勢柄悩ましいから、もっとシンプルにと。
確かにそんなに極端にやった訳ではありませんが、「牛ほめ」は、おうむ返しの台詞も多く、鼻につくかもしれません。
「先代の柳家小さん師匠の与太郎が、ほとんど他の登場人物と変わらない口調なんだが、それがとても良かった」と師匠。
なるほど、確かに、色々な人に聴いていただくのに、何か蔑むように受け取られたら元も子もありません。
「猫怪談」の与太郎よりも少しライトな与太郎にしてみよう。
みんなから愛されるキャラにしないといけません。
お父っつぁんも佐兵衛伯父さんも、そんな与太郎が可愛くて仕方がないんですから。
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