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2017年7月29日 (土)

田舎者の台詞のこと

think広場亭落語会では、熊本のご出身の美城さんが、肥後弁?で落語を披露してくださいました。
紅巣亭でも熊本のお医者さんの心童さんも熊本弁です。
プロでも、例えば圓丈師匠が名古屋弁の「金明竹」をやっているそうです。
これまた落語原理主義者は、やや抵抗があります。
なぜなら、全編をお国言葉でやってしまうと、その他の地方の者には、その方言や訛りが分からない部分があるからです。
マザーランゲージとして受け入れられる地元でやるなら違和感はないでしょう。
まぁ、ご趣向として我慢するということでしょうか?
一方で、江戸落語に登場する地方の人や田舎者の語りについては、広場亭で春木さんが、権助を静岡弁(遠州弁?)で語られていました。
旦那さんを「駿河屋」と言っていましたので、間違いないでしょう。
かく言う私も、「だら」「ずら」「だに」・・は、甲州でも、静岡県東部でも使いますから、普通の語りとしては違和感はありませんでした。
ただし、落語国の不文律では、田舎者の言葉は、訛りのある語りはするものの、どの地方かを特定しない、落語ならではの言葉で語ります。
ある意味で、花魁言葉が吉原独特の言葉なのと共通する部分でしょう。
落語は、浪曲や講釈のように、固有名詞がありません。
熊さんと八っつぁん、大家さんの世界で、そういう部分はファジーで特定しないところが特徴です。
「・・でごぜぇます」「あんだね?」「・・するだよ」なんて、どこにでもありそうですが、どこの方言でもない。
これは、演出の中で、人物の区別が出来ればよく、どこかは問題になりません。
また、田舎者をバカにした面もありますから、敢えて特定しないようにしている訳です。
だから、静岡弁の権助は、権助の台詞として聞くと、方言を知っているだけに、実に違和感を感じます。
これも、地元でやるなら、ご趣向として受けるでしょう。
それから、方言を強調するあまり、地元でも使わないような不自然な言い回しや誇張もあった気がして、私はあまり愉快ではありませんでした。
落語は聴き手に語りかける演芸ですから、その辺りも含んでやっていただければと思います。
地元では、間違いなく受けるでしょう。
「それぐらいいいじゃないの、堅いこと言わずに」と言われたら、反論は出来ませんが。

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