円楽師匠芸術協会入り?
「5代目円楽一門会」に所属する三遊亭円楽師匠が、「落語芸術協会」に加入することになったそうです。
単身での加入を申し入れ、落語芸術協会は役員会を開き客員としての加入を承認。
27日の総会で正式発表される予定。
5代目円楽一門会にも引き続き所属する。
過去には一門全体での合流を申し出たが拒否されていた。
落語家のホームグラウンドでもある寄席への出演という悲願をかなえた円楽は、落語界活性化のために、単身で乗り込む。
円楽の看板が寄席に帰ってくる。
円楽の申し入れを受け、落語芸術協会は役員会で検討し、客員という立場での加入を了承した。
桂歌丸会長は「私は入院していて役員会に出席できませんでしたが、反対もなくOKになったと聞いています」と答えた。
新宿末広亭など席亭(寄席の経営者)の推薦もあったという。
寄席(定席)は落語協会と落語芸術協会しか興行が打てず、円楽所属の5代目円楽一門の落語家は出演できない。
最近はトリの落語家と席亭の意向で“のせもの”として協会員ではない演者の特別出演も認められているが、年にわずか数日と狭き門だ。
2010年に行われた6代目円楽の襲名披露は、歌丸会長の尽力もあり、落語芸術協会の興行として寄席での公演が実現し大成功となった。
その後、円楽一門会は全体での落語芸術協会への合流を申し入れた。
人数の問題や寄席で修業していない落語家が加入することに異論を唱える声もあり、歌丸会長は賛成したものの、役員会で否決された経緯がある。
大師匠・三遊亭円生、師匠の5代目円楽とともに落語協会を離脱した1978年まで、円楽は楽太郎を名乗り、二ツ目として寄席で修業をした“寄席育ち”。
今回の申し入れには反対の声はなかったという。
円楽の願いを受け入れた歌丸は「活性化にもなるし、協会のためにもなる。円楽さんには『忙しいけれど寄席に出てください』と言いました。期待しています」とエールを送った。
円楽は5代目円楽一門会で幹事長を務めており、一門会での活動も、並行して継続する予定だ。
落語芸術協会への加入も単独で、弟子は連れて行かない。
今回の決断に、円楽は「将来、落語界は一つになればいいと思っている。(寄席に)育ててもらった恩返しをしたい」と話している。
客員とはいえ、円楽が加わることで、寄席が盛り上がるのは確実。
落語ブームと言われる中、さらなる発展のために、円楽と落語芸術協会が大きな決断をした。
・・・芸人さんの世界ですから、それに昔から合従連衡を繰返していますから、いちいち賛否がどうこうということもないと思います。
ただし、間違いなく言えるのは、噺家さんには「寄席」が絶対に必要だということです。
寄席に出られないがゆえに、落語をショー化して大味にしている立川流、(失礼ながら)なかなか人材が育たない円楽一門会。
頑なに「落語」を塀で固めて考えようとはしませんが、いずれ噺家さん全員が寄席に出演出来るようになるのが好ましいと思います。
円楽師匠は、落研創成期に親しかった青山学院大落研のご出身で、楽太郎時代に落研主催の鑑賞会にも出演いただきました。
・・・しかし、落語の本流のひとつである「三遊亭」が、さらに細分化して行くのは、やや複雑な思いもあります。
「噺家さん・芸人さん」カテゴリの記事
- 圓朝忌(2020.08.11)
- 三遊亭金馬師匠(2020.07.23)
- 【朗報】九代目春風亭柳枝誕生!(2020.07.06)
- 林家正雀 正本芝居噺の会(2020.06.28)
- オンライン寄席の時代?(2020.06.26)