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2017年2月16日 (木)

なぎらさんと堀井さん

pen今度は週刊現代の記事。
なぎら健壱さんと堀井憲一郎さんの座談記事です。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50920
聞かずに死んだら、もったいない!
      最高におもしろい落語家はこの人
             なぎら健壱×堀井憲一郎が選んだ

◇人間国宝を今のうちに見ておけ!
堀井 「いま見ておくべき」という視点から落語家を選ぶと、やっ
    ぱり(柳家)小三治
師匠が筆頭。
    若手は当分見られるけれど、77歳の小三治師匠の場合
   
はそうはいかない。
なぎら アタシも同感。
           いま生きている人の中では小三治さんは一番好きな
           落語家の一人です。
      やっぱり上手いし聞かせる。
堀井 人間国宝が現役で、しかも寄席で普通に見られる。
     見に行かないともったいないですよね。
なぎら 亡くなった人まで含めていいのならば真っ先に古今亭
           志ん朝を推したい。
堀井 生前に、志ん朝師匠の「幾代餅」を生で聞いて、涙が止
         まらなくなったんです。
     落語で泣いたのは初めてで、「この人を追いかけなきゃ」
         と思ったんですが、間もなく亡くなってしまった。
     それから残っている音源を聞きまくりました。
なぎら 私は志ん朝の「船徳」を生で聞いたその週に、別の落語
           家がテレビで同じ噺をやっていたのを見て、こうも違うか
           と驚いたね。
      「長ぇな」と思っちゃったんだよ。
      志ん朝の芸には、客に退屈をみじんも感じさせない力が
           ある。
      あの立川談志師匠も志ん朝を最期まで意識していた。
堀井 志ん朝師匠が亡くなって「談志師匠までいなくなったらマズ
         い」と思って、そこからは談志師匠のライブをほぼすべて
         見たんです。
     師匠が60代半ばを超えて落ち着いたころで、素晴らしい
         高座に何度か出会えました。
   
なぎらさんと堀井さん
なぎら '90年代の一時期、談志師匠にも良くない時期があったん
           だよね。
     「黄金餅」を見たんだけど、途中で地名をずっと言う場面で
          つっかえちゃう。
     最後は、「このへんでモノレールに乗るか」って飛ばして、
          お茶を濁していた。
     だけど、しばらくしたらまた「やっぱりこの人すげぇな」と思わ
         せるよう
になって。
堀井 談志師匠に関しては、横須賀で聞いた「鼠穴」が衝撃的
    でした。
     蔵が燃えるシーンがあるんだけど、目の前で火柱がメラメラ
    上がっているような臨場感があった。
     もう、息を飲みました。
◇マイナーだけど大好きな噺家
なぎら いわゆる前座噺のような軽いものでも、あの人がやると
     「この噺ってこんなに聞かせたっけ?」と唸らされる。
      そういう腕があったね。
           何やっても上手い噺家って、談志師匠しかいないかも
           しれない。
堀井 談志師匠はその時々の世相を枕でどう取り上げるのかも
         楽しみでしたね。
     逆に、小三治師匠は時事ネタをいじらせたらダメ(笑)。
     談志師匠がコラムニストなら、小三治師匠はエッセイスト。
     海外旅行のエピソードとかこの石鹸がいいんだとか、身の
        回りの話がめちゃくちゃ面白い人です。
なぎら 志ん朝、談志師匠、小三治は別格として、バリバリの現役
           で「できるな」と思うのは柳家喬太郎。
      古典・新作両方に手を広げていて、どっちに目がいってる
           のか分からないところもあるけど。
堀井 本人によれば、「古典の名人」と呼ばれるよりは、広くいろ
         んなジャンルをやりたいとか。
     あと、ややマイナーなところで個人的に好きなのは、むかし
         家今松師匠。
なぎら 今松さんの噺は聞いたことない。面白いんですか?
堀井 全然(笑)。でも、好きなんです。
      「弟子入りしたい」と思ったのはあのひとぐらい。
      内容がどうこうというよりも、今松師匠が作り出している空間
         が気持ちいい。
     なんともいいにくいけど、そういう噺家です。
なぎら ウーン、よくわかんねえなァ(笑)。
      でも、落語って結局聞く人それぞれの趣味がすべてだから
           それでいいんだよね。
      アタシがおすすめしたいのは、ベテランだと柳家権太楼。
      あと中堅で言えば春風亭昇太はやっぱり面白いと思う。
      上手いという意味ではなくて、ドタバタの滑稽さがある。
      それから、林家たい平もいい。
      古典と新作と両方できるしね。
      一度、たい平の「幾代餅」で不覚にも泣いちゃいました。
      
なぎらさんと堀井さん
◇同じネタでも常に面白い木久扇
堀井 立川流の志の輔さん、談春さん、志らくさんは相変わらず
         引っ張りだこですが、この三人は実力も申し分ない。
なぎら
 三人とも頭一つ抜けてますね。
      それから談笑もいい。
堀井 彼らは落語の新しい形を作ろうとしている感じがします。
     志の輔師匠は、噺で腑に落ちないところは古典でも我流で
    アレンジしていて、噺に妙な説得力があるんです。
     談春さんもそう。
     彼の「文七元結」を聞くと、「女郎屋の女将はなぜ博打好き
    の長兵衛に金を貸したのか」っていう、原作にはない部分が
    膨らんでいて、聞いていて納得できる。
なぎら 昔、「こりゃあ、たまげたのが出てきたなァ」と末恐ろしく
     感じたのは、(春風亭)小朝だったんだけど。
堀井 '80年代的な、明るくポップな要素を落語に取り入れて、
    一躍人気者になりましたよね。
なぎら そう。
           「小朝が枯れてきたら怖いぞ」と思ってたら、結局あのまま
     で一皮剥けず(笑)。
       見終わってから残るものがないんだよなあ。
       そろそろギアチェンジしてもいいとアタシは思うけど……。
堀井 いまでも奇抜な着物を着て変わった新作落語をやって、これ
    がドカンドカンと受けている。
     個人的には、古典落語でもういちど私たちを唸らせてくれる
    可能性ももった人だと思ってます。
なぎら 意外な感じがするけど、あの談志師匠がとても高く評価
     していたのが林家木久扇と三遊亭圓歌。
      滑稽では、この二人に並ぶ人はいないと思います。
堀井 木久扇師匠は相変わらず馬鹿ばかりやってるけど、めっちゃ
    くちゃ笑えます。
      同じネタを何回聞いてもきっちり笑わせてくれる。あの芸
    の力もすごい。
なぎら ただ、木久扇も圓歌も残り時間がそう長くないだろうから、
     早めに生で見ておくに越したことはないな(笑)。

・・・内容は、お二人の座談の割には大人しく感じました。
あまり意外感のない内容だった気がします。
唯一、むかし家今松師匠の部分は良かった。

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