丁酉(ひのととり)正月の落語徘徊
あっと言う間に丁酉の正月1ヶ月が経ってしまいました。
今年も残すところ、あと335日となりました。
私の誕生日に、娘と息子からお祝いをしてもらい、感涙にむせびました。
「深川三流亭」で、師匠から稽古をつけていただいた35席目の「人情八百屋」を演って感涙にむせびました。
「学士会落語会」で、師匠の話芸を堪能し、林家あずみさんに手拭いをいただいて感涙にむせびました。
「学士会落語会」の会報「まくら」への寄稿を受けましたので、師匠にご指南いただいて10年経過することもあり、師匠の教えを「師匠の五戒」としてまとめてみました。
◇落語は品がなくてはいけない
落語は語りも佇まいも"品"がなくてはいけない
笑いを取るためだけの下品な演出はダメ
勿論、エログロはダメ
着物の裾や胸元が乱れては品がなく見える
(徒に裾を乱すプロがいて、それを熱演だと勘違いする人がいる)
◇落語は活字で覚えちゃいけない
落語を覚えるのに、高座本を丸暗記してはいけない
全体の流れを理解し、頭の中の自分の言葉をタイムリーに使う
(落語は、会話でストーリーが進んで行くもの)
◇落語には必ずオチ(下げ)を付ける
オチがあるから"落語"、だから人情噺でも怪談でもオチが要る
オチのあと「・・というお笑いでございます」やオチの説明はダメ
(牡丹燈籠、文七元結、浜野矩随にもオチを付けました)
◇落語の会話やオチは最後(語尾)まで登場人物になりきる
登場人物の会話は、語尾まではっきりその人になりきって語る
オチも自分の素に戻るのではなく、最後まで登場人物になりきる
(特に落研経験者の多くが持っている悪い癖)
◇地語りで「ございます」は言わない
会話の中なら場面としてあるが、地語りは自分の言葉で語る
今は、普通の会話で「・・・でございます」と言わないのだから
「・・・・です」で良い
(新作落語の噺家さんに「ございます」を連発する人が多い)
これから、常にこの「五戒」を意識して、持ちネタ50席を目指して稽古に励んで行きたいと思います。