« 御守 | トップページ | 三遊亭圓歌師匠 »

2017年1月 4日 (水)

食える噺家は100人だけ?

book昨年、「週刊ダイヤモンド」7月9日号の特集が「落語にハマる!」でした。
実は、購入はしたものの、あまり真面目に読んでいませんでした。
食える噺家は100人だけ?
前座、二ツ目、真打、ご臨終──。落語家に定年はない。生涯現役の高齢者比率が高ま
っており、いよいよ、昇格システムに歪みが見え始めている。落語家稼業の厳しい実態
に迫った。

・・・という謳い文句の記事。
かつては不景気になるたびに、入門者が殺到していた落語家。
今では、落語好きがファンでいることにとどまらず、「好きなことを職業に」と考える若手が増えた。
その結果、落語家数は約800人にまで増えた。江戸時代以降で過去最多の人数である。入門者の激増は、「真打昇進制度」と呼ばれる昇格システムに歪みを来し始めている(上方落語協会は除く)。
落語家は入門すると、まずは真打を目指す。
通常は、入門から真打になるまで13〜16年かかるが、よっぽどの失態を犯さない限り、エスカレーター式に上がっていく仕組みだ。
まれに、所属協会と席亭(寄席のオーナー)の信任があれば、異例の抜てき人事が発
動される。
最近では、春風亭一之輔が7年で真打に昇進したのが記憶に新しい。
落語界では、真打になれば一人前。弟子がいてもいなくても、「師匠」と呼ばれるようになる。
だが、真打になればバラ色の人生が待っているかといえばそうではない。
現在、東京の落語家数は545人なのだが、そのうち真打は352人。
全体の65%が真打=師匠で占められる逆ピラミッドの構成になっている。
まさしく“真打バブル”である。
食える噺家は100人だけ?
落語家が高座に上がったときに、「前座、二ツ目、真打、ご臨終と申しまして……」とまくらを振ることがあるが、この言葉通り、落語家に定年はない。
70代〜80代の落語家はバリバリの現役だ。
年功序列がまかり通っている落語界では、 完全に上がつかえてしまっている。
食える噺家は100人だけ?
にもかかわらず、高齢化は加速するばかりで、真打大量増殖は一層進む。
真打が頭でっかちとなる逆ピラミッドの構図が解消する兆しは見えない。
一般企業では、50代ともなれば中堅だったり責任あるポストに就いていたりするもの。
だが、落語界ではいまだに若手。
リーダー的存在の落語家でも“若手界の大御所”と皮肉られるなど、いよいよ、健全とはいえないいびつな年齢構成になっている。
一番深刻な問題は、落語家の懐事情だろう。
ほんの一握りの人気真打を除けば、特に新米真打には仕事が回ってこない。
落語一本で生計を立てられるのは、多く見積もっても上澄みの100人だといわれる。
となれば、「好きこそ物の上手なれ」などと悠長なことは言っていられない。
食える噺家は100人だけ?
では、実際には、落語家の稼ぎはどうなっているのだろうか。
落語家の収入源は、大まかに言って三つある。
寄席のギャラ、ホール落語・独演会のギャラ、出張落語のギャラの三つである(ちなみに、東京の寄席に出られるのは、東京では落語協会と落語芸術協会の所属落語家のみ)。
まず、寄席のギャラの相場は幾らぐらいなのだろうか。
寄席の興行収入は、シンプルに木戸銭(入場料)×入場客数で計算できる。
仮に、客数が60人だったときの1人当たりのギャラを推測してみた。
その結果、1人当たりの平均ギャラは2500円という計算になった。
寄席には、20〜30人の落語家が出演するが、興行収入は人数できれいに割って山分けするのではなく、演者の格によって傾斜配分で渡される。
通常は、興行のトリを務める主任、年季の長い演者、一般の演者という順番で取っていく。
ある真打は、「今どき、お客1人当たり×円×銭というレートが決まっているのは、寄席と為替だけ」と冗談めかして言う。
別の人気真打は、「9日間高座に上がって、寄席の割りは1万円。日当約1000円です」とのこと。
かといって、「寄席の経営は、ビルにテナントが入っている鈴本演芸場以外は厳しい」ともいわれ、寄席の経営を維持すること自体が難しくなっている。
それでも、落語家が寄席に出るのは、寄席が“ショーケース”の役割を果たしているからだ。
自分を目当てに来たわけではない“完全アウェー”の高座で場数を踏むことは修業の一環とされてきた。
ただ、この寄席すら出られる落語家は限られる。
ひと月当たり、落協は8番組、芸協は4番組を担当しており、この番組編成に漏れた落語家は、顔を売る機会すら与えられない。
端的に言ってしまえば、寄席のギャラはすずめの涙なので、ホール落語・独演会、地方公演のギャラで食っていくよりほかに選択肢はない。
落語家という職業のいいところは、座布団1枚でどこへでも行けること。
落語立川流の四天王(立川志の輔、談春、志らく、談笑)ともなれば、単価の高いチケットが飛ぶように売れている。
いよいよ、落語家の世界でも競争原理が導入され、優勝劣敗が鮮明になりつつある。

・・・実に余計なお世話の記事ですね。
しかし、噺家さんの数の多さには驚きます。
みんな「お笑い」というカテゴリーで、若者は気軽に、家族にも周囲にも昔の偏見のようなものもないので。

« 御守 | トップページ | 三遊亭圓歌師匠 »

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」カテゴリの記事