師匠と
先日、師匠との雑談で、素人落語家(社会人落語家)の高座名について話題になりました。
ほとんどの場合、亭号などはプロのものではなく、全く別の亭号を名乗っています。
例えば、落語っ子連では「三流亭」で、師匠が最初に指導を始めた素人連なので、「三遊亭」にかけたのでしょう。
扇子っ子連は「千早亭」で、稽古場が豊島区の千早地域文化創造館だから。
ところが、一部ではありますが、プロの噺家さんの亭号を名乗っている方もいらっしゃいます。
現に、我が落研の「O先輩」は、黒門町の桂文楽師匠から「桂友楽」を許されて使っていますし、師匠と同様、素人に落語を教えている師匠の中には、ご自身の亭号をつけている場合もあります。
師匠に、お考えを尋ねてみました。
昔は天狗連などが活躍することもあったと聞いてますが、現在の良識では、(例えば)三遊亭はプロの亭号と認知されているものなので、(素人が名乗るのは)難しいでしょうね、、、、。
三遊亭はあたし一人ではありませんで、大勢が付けてます。
過去には、文楽師匠、文治師匠が亭号をプロ以外の人に付けていました。
最近では、(ある噺家が)素人弟子に三遊亭を付けているので、問題になったことがあります。
昔、「圓窓の弟子だ」と勝手に名乗って、三遊亭を使っていた男がいました。
落語家の亭号を店の名前にした人も知ってます。
現に、圓生(六代目)の娘さんが喫茶店を出したときに、「三遊亭」という名前にしたことがありました。
「高齢者でも弟子にとるよ」という噺家がいて、そこへ入門すれば亭号はもらえるでしょうが、、、、。
ということで、総合的に判断して、やはりプロの亭号を素人が名乗るべきではないのかもしれません。
そりゃそうですよね。
そこいらにいる素人の人に「三遊亭」を名乗られたら、「三遊亭」のブランド力も落ちてしまいますよ。
師匠は、結びにこんなことも仰いました。
あたしは、これからは、いろんな意味で意識の高いアマの出現を望んでいます。
それはプロの質があまりにも落ちているからです。
自分はさっさと棚にあがってますが、、、、。笑
・・・「色々な意味で意識の高いアマ」というのは、実に含みのある言葉だと思いました。
私は、そのようなアマになることができるでしょうか?
なれればいい、なってみたい、なりたい・・と思います。
師匠のご指南を10年間受けて来て、師匠の落語に対する情熱の凄さを痛感しています。
そして、僭越ではありますが、師匠の考え方やスタンスが、私にとってはぴったりだったことの幸運を強く感じています。
「落語は上品でなくてはいけない」なんて言うのは至言だと思いますし、「噺は活字で覚えちゃいけないよ」というのは、私の落語を一段高みに上げていただいた気がします。
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