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2016年12月 2日 (金)

自分の小さな「箱」から脱出する方法

building私は、これでも、会社では人事の仕事をしています。
社内で度々問題を起こす社員がいて、何度厳重注意や叱責をしても治りませんでした。
自分の小さな「箱」から脱出する方法
先月、また本人を呼んで、さらに厳しく諭すと同時に、自分で何か本を選んで読み、その感想文を書くように指示しました。
さすがに、進退を賭けてとの指示だったので、1ヶ月後に、原稿用紙4枚にも及ぶ感想文を書いて来ました。
正直なところ、今までの状況から、全く期待していませんでした。
ところが、期待?は見事に外れ、しっかりした感想文になっていて、大変驚いてしまいました。
文の内容もさることながら、そもそも選択した本に驚きました。
彼は、ネットで色々なキーワードを入れて検索し、ヒットしたものを書店で探し、何冊かをパラパラと見た中で、文章が対話形式になっていて読みやすく、なにより内容がドキッとするほど今の自分のことを書いているようだったのでと、本選択の経緯を書いています。
実は、私も知らない本で、感想文を読んでからすぐに購入して読み始めました。
「本音と建て前」と言うが、同僚や部下と和やかに接していても、本音では相手を良く 思っていないことがある。
人間は相手の感情を敏感に感じとる能力を持ち、実はあなたの内に秘めた感情は相手に伝わっているものなのだ。
本書ではこうした状態を「箱の中」と定義する。
そのままでは対人関係の摩擦が大きくなるばかり。
どうやったら箱から脱出できるだろう?

こんな案内文がありました。
 自分の小さな「箱」から脱出する方法

某社に転職して間もない主人公は、上司による一対一の研修を受けることになった。
入社してからの1カ月、主人公は誰よりも長く働き、同僚から抜きんでようと懸命に努力してきたつもりだ。
しかし、上司は、開口一番「君には問題がある」と言い放つのだ。
それは、部下への接し方に対する問いかけだった。
主人公は部下を公正に扱っているつもりだと反論する。
これに対し上司は、心の中で部下を我慢ならない存在として軽蔑し、自分の望みどおりに動かそうとしていないかと疑問を投げかける。
かつて上司自身が同じ過ちを犯していたというのだ。
「問題のある人物自身には、自分に問題があるということが見えなくなっている」と上司は言う。
この状態を哲学者は「自己欺瞞」と呼んだ。
自己欺瞞は組織の至るところに存在する。
この会社ではこの状態を「箱の中に入っている」という言い方をし、組織的な課題として取り組んできたのだ。
人は相手が自分をどう思っているのかを敏感に感じることができる。
ここがポイントだ。
相手が自分を操ろうとしていることや、親切な態度の裏にある非難といったものを感じとり、それに対して反応するものなのだ。
たとえ最新の人間関係のテクニックを使っても、内心で相手をよく思っていなければ、結局は反感を持たれることになると上司は言う。
外見的な言動は見抜かれ、心の中でどう思っているかが問題となるわけだが、相手に対して抱く感情はどのように決まるのか。
それが、相手に対して「箱の中にいるか外にいるか」だという。
自分と同じようにニーズや望み、恐れや不安を持っている同じ人間として他者を捉えているのが「箱の外」。
一方、他者を集団の脅威や厄介者のように捉え、単なる物のように見ている状態が「箱の中」となる。
同じ行動をとっていても、箱の中と外にいるかによって、相手への影響は大きく変わってくる。
自分をありのままの人間として見てもらえると、人はやる気を出し、より能力を発揮しようとする。逆に物のように見られると反感が募って組織の摩擦が大きくなる。
つまり、「箱の外」にいるリーダーが組織にとって求められるのだ。
相手を自分と同じ人間として捉える「箱の外」にいるときは、ちょっとした親切や手助けなど、他の人に何かをしてあげたいと思う。
しかし、人に対して良かれと思ったことをいつも行動に移すわけではない。
こうした自分の感情に背く行為を上司は「自分への裏切り」と定義し、箱の中に入るきっかけとする。
たとえば夜中に赤ん坊が泣き出したとき、自分が起きてあやせば、妻は寝ていられる。
しかし、その行動をとらなかった場合、妻を怠け者で鈍感なひどい母親と考えだしたりする。
つまり、自分の感情に背いたことを正当化するために、「しない理由」を相手の欠点に結びつけて考えはじめるのだ。
こうなると現実を見る目はどんどん歪められていく。
さらには自分を正当化する根拠となる価値を過大に評価するようになっていく。
妻は怠け者のひどい母親で、自分は仕事一筋の勤勉な良き夫といった具合だ。
これこそが「箱の中」にいる自己欺瞞の状態であり、やがてはそれを自分の性格と見なすようになる。
こうなると、自己正当化イメージが最大の関心になり、それを脅かす相手に対して防御の姿勢をとりはじめるのだ。
逆に自己正当化イメージを強化してくれる人は味方と感じるようになる。
誰しも自己正当化イメージを持っている。
自分を非難する人がいた場合、防御の姿勢をとって「箱の中」に入ってしまうものだ。
つまり、自分が「箱の中」にいて他者を非難すると、相手も「箱の中」に入れてしまうことになるのだ。
このとき相手が自分の望みどおりに改善されることは、もはや求めていない。
むしろ、自分の言い分が正しかったことを裏付けるために、相手が間違っていることの方が大事になる。
何も改善されず、対立関係が続くばかりだ。
会社の目標とは組織全体で成果を上げていくこと。
しかし、「箱の中」に入ると、自分にばかり目を向け、全体の成果に目を向けられなくなってしまう。
自分は優秀だという評判を得たいだけになり、同僚が成功しても喜べず、同僚を踏みにじってでも成果を上げようと互いに悪影響をおよぼすようになっていくのだ。
では、どうすれば「箱」から脱出できるのか? 
それは魔法のように簡単だという。
この問題に気づくこと。
それを悔やんで相手のために何かをしようと思うことだ。
この瞬間、あなたはすでに箱から脱出している。

・・・そうか、要するに「情は人の為ならず」ということか。

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