文七元結のオチ
「文七元結」は、所謂オチがありません。
お久が、近江屋に身請けされて帰って来て、ハッピーエンドになった後です。
これから、文七とお久を夫婦にいたしまして、麹町貝坂に元結屋を開かせたという、「文七元結」の一席でございます。
・・・という形で終わるのが一般的。
師匠は、売り出せし 元結結びの 神なれば 文七お久 共白髪まで という歌でまとめられていました。
http://ranshi2.way-nifty.com/blog/2014/10/post-07e8.html
私のオチをご披露します。
さぁ、これから文七は助けられた命と、以前より一生懸命に働きまして、そのうちに、旦那の信用もついてまいります。
「おぅ、文七さん、どうしたんだい。
お前さんが考えた新しい元結が、紙の質も良いし、結い易いし、値段も安いってんで、大そうな評判だそうじゃねぇか。」
「はい、ありがとうございます。
実は、この度旦那さまからお許しをいただいて、麹町貝坂に元結屋を開くことになりました。
・・・それで、お久さんを女房にさせてもらいたいと思いまして・・・」
「えっ?お久と?
そうかい、お前たちは、そういうことになっていたのかい。
あぁ、お似合いじゃねぇか。
考えてみりゃあ、お久が身を売った金が50両、お前が盗られたと思った金が50両。
50両と50両でちょうど100両。1束で縁起が良いじゃねぇか」
「ありがとうございます。
元はと言えば、親方が"結びの神(紙)"でございました」
・・・どうでしょうか?
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