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2016年1月 3日 (日)

双蝶々と鶉衣

今夜は、「双蝶々」と「鶉衣」を。
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八百屋の長兵衛の倅・長吉は、小さいころから手に負えない悪で、店の物はかっさらう、賽銭は盗む、悪い事については頭が良くまわった。
あるとき継母のお光に  寿司を食べるからと銭をせびり、もらえないとなるとお膳を蹴飛ばして表へ飛び出してしまう。
あげく、仕事を終えてもどってきた長兵衛に嘘八百の告げ口をしてお光を困らせ、夫婦げんかにまで発展させる。
長兵衛は初め、長吉の言い分を信じお光を殴りつけるが、大家の仲裁で事実を知る。
真っ当になるよう長吉をお金を扱わない黒米問屋
下谷山崎町の山崎屋に奉公に出す。<小雀長吉>
悪さをするくらいだから目端も利いてよく働いた。
奉公先で長吉の悪さは収まったかに見えた。
十八のとき、悪友の長五郎と組んで稲荷町の広徳寺前で盗みを働き、そこを風呂が遅いのを不審に思って付けてきた番頭の権九郎に目撃された。
権九郎は店に戻った長吉を呼びつけ、盗みを白状させ叱りつけたが・・・、一転態度を変え、若旦那と争っている吉原の花魁を身請するために二百両必要だという。
ご主人の金庫から残りの百両という金を盗み出せと強要する。
長吉はしかたなく言われた通りに、ご主人夫婦の寝室にお腹が痛いと仮病を使い入り込み、タンスの薬箱ならぬお金を引き抜き、薬をもらって引き下がってきた。
盗んだ金を権九郎にむざむざ持っていかれるのが惜しくなり、待ち合せの場所で番頭権九郎を殺し、奥州路に逃げようかと独り言を言っているのを小僧の定吉に聞かれてしまった。
口封じのために掛け守りを買ってやるから寸法を測らせろと言って、首を絞めて殺してしまう。
番頭との約束の九つの鐘を聞いて逐電する。<権九郎殺し>

正直・長兵衛夫婦は倅の悪事を知り、世間に顔向けが出来ないと逃げるように湯島大根畠の長屋を引き払って流転の日々を送る。
本所馬場町の裏長屋に越したころ、遂に長兵衛は腰が立たない病になってしまった。
内職だけでは病人を養っていけず、お光は内緒で袖乞いをして一文二文の銭を稼ぎ、なんとか食い繋いでいる。
浅草の観音様に全快祈願のお百度を踏むからと偽り、夜、隅田川縁の多田薬師石置き場で、袖を引く物乞いをしていた。
北風強くみぞれ混じりの中、たまたま奥州石巻から父の様子を探しに出てきた長吉の袖を引き、二人はひさびさの対面を果す。
長吉は子供の時分、お前に辛く当たったのも親父を取られたように思ったからで、今では申し訳無いと思っている。  と告げる。

長吉はお光に連れられ、腰の立たない父を見舞う。
50両の金を渡し元気で暮らすように言うが、長兵衛は悪事から手を洗えと言葉を重ねたが、最後は長吉をゆるし、涙ながらに今生の別れを告げる。 
奥州では50人程の子分がいて自分だけ足を洗う事は出来ないと言う。
追われる身である事を察した長兵衛はもらい物の羽織を渡し、江戸から無事出られるようにと願った。

雪の降る中、後ろ髪を引かれる思いで長屋を去った長吉は、吾妻橋を渡るところでついに追手に取り囲まれ、御用となる。
<雪の子別れ>
「鶉衣(うずらころも)」という噺も、昔気質の噺で、やや後味の良くない噺かもしれません。Hqdefault9
いろいろな趣味があって、時代を表す、集めるという流行があった。
ウズラが江戸時代におおいに流行ったことがある。
地主のお嬢さんがウズラを欲しがったが、それは浪人が飼っているウズラだった。
同じ長屋の源兵衛さんに頼んで1両で交渉させたが、無礼であると首筋捕まれて表に放り出された。
その時亀の尾をしたたかに打って痛くてしかたない。
切り戸から家主が顔を出したのでウズラの一件を頼んだ。
浪人は内職の釣り針にやすりを掛ける仕事をしていた。
私も趣味替えしてウズラを飼いたいがそのウズラを私にくれないか。
新しいウズラは買ってあげるからと持ち出したが、「伊勢屋の娘はことのほかワガママであるな」と切り返された。
私にくれると思って譲ってほしいと言ったが、頑として首を縦に振らない。
それでは店を開けろと言うが早いか、表に引きずり出されて、亀の尾をしたたかに打ってしまった。
今度は頭を呼んだ。
頭は独り合点でお嬢様がお悩みだと言うが、私は女房と別れもお嬢様と一緒になっても良いですよ。
話は全然違ってウズラの一件であった。
この話はお断りしたい。
あの浪人と馬はダメなんです。
連雀町の酒屋の前で馬が暴れた。
私は逃げようとしたが冷や汗が出て動けなくなった時に、侍が現れ見事に取り押さえた。
その侍はあの浪人で、浪人を見るだけで、あの馬を思い出す。
勘弁してください。
お嬢様はウズラを飼っても様にならない、同じ飼うなら猫が良いですよ、可愛い猫が友達のところで生まれたので、もらってきます。
ご主人の了解を待たず駆け出していった。
お嬢さんにきつく言われて、番頭の彦助が浪人の家に向かった。
今までの件を謝り、その足で浪人の家を後にした。
ウズラのことは言い出せなかった。
しかし、気が立っている時に話をしてもまとまらないだろうとあきらめた。
翌日、世間話をして帰ってきた。
3日、4日・・・、ウズラのことは言い出せなかった。
7日目、浪人は「鶉居(じゅんきょ)とか鶉衣と言う言葉があるが、その貧しさでウズラを飼うとはおかしい」、番頭は、「私は伊勢屋の前に捨てられた捨て子で、ご主人にここまで育ててもらった。ご主人には恩義があって恩を返したい。そのご主人がふさぎこんでいた。その訳はご存じのウズラの一件です。どうぞ私にお譲りください」
「娘御はそれにしてもワガママであるな」
「母親を亡くし、男手一つでここまで育てられたからでしょう。如何がでしょう
かウズラは」、「それでは明日この時刻にお越しください。ご返事が出来ます」。
翌日浪人の家に来てみると、内職はしていず小鍋仕立ての料理を突きながら一杯やっていた。
勧められて部屋に上がり、飲めないのを無理にお猪口一杯飲んで苦しくなった。
鍋の物を突いてくれと勧められた。
「時に昨日お話の返事はいただけるのでしょうか」
ウズラのことだな。ウズラはもういない。カゴを見なさい」
ウズラはどこに」
「二人が囲んでいる、この鍋の中です。何日も通ってきた貴方の心中、ご主人の意中、家主の心中は分かる。貴方が旦那様に誠を示すのであれば、私は自分の心に誠意を尽くす。今朝方、
ウズラに『金品に替えるぐらいなら、我が腹中に納まる方がイイだろう』と言い聞かせたら、イイと言った。言うわけは無いがグウグウと鳴いた。可愛がっていた鳥を我が手で殺し料理する我が心中を察してください。ウズラはお譲りすることがもはや出来なくなってしまった」。
このことを店に帰って話をすると、娘も澱が取れたように心改まり、浪人の家に謝りに行った。
中川山城守という大名が世間話で浪人が馬を鎮めたことを聞いた。
その者を調べてこいとの事で調べると、鍋町の長屋に住む浪人・曽野門太夫だと分かったが、長屋の者も大家も、一徹者でお付き合いが出来ないでしょうと告げた。
帰ってこのことを報告し、召し抱えるのは止めた方がイイというと、町人を抱えるのではなく、気骨のある侍を抱えるのだから、今すぐ抱えるようにと鶴の一声。馬廻り役150石で出世した。
馬に乗ってヤリ持ちを従えて通行中、町中で長屋の住人に出合った。
ビックリしてこのことを大家に話して、
「どうして出世したのでしょうね」
「それは
ウズラを食べたことだろう」
「そうか、あっしは昨日、鳩を食った」
「鳩を食った?それは気をつけろ、豆鉄砲を喰らうぞ」

・・・という。

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