一陽来復
今日は冬至。
1年で最も日が短いということは、翌日から日が長くなっていくということですから、冬至を太陽が 生まれ変わる日ととらえ、古くから世界各地で冬至の祝祭が盛大に行われているそうです。
太陰太陽暦 (いわゆる旧暦)では冬至が暦を計算する上での起点になっています。
ただ日が短いというだけではなく、大事な日なんですね。
中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意の「一陽来復(いちようらいふく)」といって、冬至を境に運が向いてくるとしています。
つまり、みんなが上昇運に転じる日だということです。
なるほど、これ以上悪くはならない…か。
冬至には「ん」のつくものを食べると「運」が呼びこめるといわれています。
にんじん、だいこん、れんこん、うどん、ぎんなん、きんかん……など「ん」のつくものを運盛りといい、縁起をかついでいます。
運盛りは縁起かつぎだけでなく、栄養をつけて寒い冬を乗りきるための知恵でもあり、土用の丑の日に「う」のつくものを食べて夏を乗りきるのに似ています。
また、「いろはにほへと」が「ん」で終わることから、「ん」には一陽来復の願いが込められているのです。
それでは、なぜ、かぼちゃを食べる?
かぼちゃを漢字で書くと南瓜(なんきん)。つまり、運盛りのひとつであり、陰(北)から陽(南)へ向かうことを意味しています。また、かぼちゃはビタミンAやカロチンが豊富なので、風邪や中風(脳血管疾患)予防に効果的。
本来かぼちゃの旬は夏ですが、長期保存が効くことから、冬に栄養をとるための賢人の知恵だという訳。
また、柚子(ゆず)=「融通」がきく、冬至=「湯治」。
こうした語呂合せから柚子湯に入ると思われていますが、もともとは運を呼びこむ前に厄払いするための禊(みそぎ)だと考えられています。
昔は毎日入浴しませんでしたから、一陽来復のために身を清めるというのも道理で、現代でも新年や大切な儀式に際して入浴する風習があります。
冬が旬の柚子は香りも強く、強い香りのもとには邪気がおこらないという考えもありました。
端午の節句の菖蒲湯も同様です。
また、柚子は実るまでに長い年月がかかるので、長年の苦労が実りますようにとの願いも込められています。
もちろん、柚子湯には血行を促進して冷え性を緩和したり、体を温めて風邪を予防したり、果皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる美肌効果があります。
さらに、芳香によるリラックス効果もありますから、元気に冬を越すためにも大いに役立ちます。
色々と蘊蓄を調べましたが、これらも語呂合わせが多いですね。
別の言い方をすれば、みんな洒落や駄洒落なんですね。
と言うことは、物事みんな落語と言うこと?