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2015年11月21日 (土)

品格

think北の湖理事長が急逝されましたが、結果的に、横綱白鵬の猫だましに対するコメントが、マスコミを通じての最後の言葉になってしまいました。
横綱の猫だましについては、世の中では賛否が拮抗しているようです。
最近の傾向として、一定のルールさえ守っていれば、後は個人の自由だからと、肯定する人が増えているようですが。
禁止されていないのだから、勝つためには何をやっても許される。
しかし、横綱だからというものが求められると思います。
Touyako510 この昭和の大横綱は、猫だましを繰り出した横綱・白鵬の奇襲には「前代未聞。負けたら横綱として笑いもの」と苦言を呈しました。
相撲は勝てば良いわけではない。
何より訴えたのは強さとともに備えるべき品格。
・・・そうなんです。品格なんです。
良く知りませんが、大リーグでも、大量リードしているチームが送りバントや盗塁をしてはいけない、というような不文律があるそうです。
だから、こういう部分は、日本人だけの特殊なメンタリティではないと思います。
そうです。ノブリスオブリージュです。
身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。
もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ」の意。

次元は全く違いますが、師匠は、落語にも品格を求めます。
我々素人にも、「落語は品がなくっちゃあ」と。
たかがお笑い、演芸ではないかと言う向きもあるでしょう。
面白ければ何をやっても良いという人も多くいます。
落研で先輩から言われました。
笑ってもらおうとだけ思ったら、一番簡単なのは、高座に向かう時に転んだり、足が痺れて立てないところを見せたいい。
お客さまは笑ってくれる。
でも、我々は、素人でも、落語を聴いてもらって、落語で笑ってもらうためにやっている。

・・・なんてね。
師匠は、品格にこだわります。
決して、お高くとまるということではありません。
エロ・グロはダメだ。
着物の裾が乱れたりするのも好ましくない。
必ず、芸やスポーツには品が必要だと思うのです。
最近のお笑いは、全て主語が自分で、オレオレという自爆的・自虐的な、騒がしいだけの笑いが主流になっています。
落語は、客観的に様々な人を表現します。
だから、300年も続いて来た。
マンネリの極致でもある古典落語や寄席が支持されて来た。
相撲は、神事でもあります。
だから、勝負だけではない、心や形も大切にして受け継がれて来ました。
その代表でもある横綱は、平幕や前頭とは違う。
・・・それが後進への最後のメッセージとなったと思います。

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