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2015年10月13日 (火)

三流亭新参さん

fish徒然草に「高名の木登り」という一節があります。
高名の木のぼりといひしをのこ、人を掟てて、高き木にのぼせて梢を切らせしに、いと危く見えしほどはいふ事もなくて、降るる時に軒長ばかりに成りて、「あやまちすな。心して降りよ」と言葉をかけ侍りしを、「かばかりになりては、飛び降りるとも降りなん。如何にかく言ふぞ」と申し侍りしかば、「その事に候ふ。目くるめき、枝危きほどは、己が恐れ侍れば申さず。あやまちは、やすき所に成りて、必ず仕る事に候ふ」といふ。あやしき下臈なれども、聖人の戒めにかなへり。鞠も難き所を蹴出してのち、やすく思へば、必ず落つると侍るやらん。
三流亭新参
有名な木登りだといわれている男が、人を指図して高い木に登らせて梢を切らせたとき、とても危なく見える間は何も言わないで、降りてくるときに軒の高さくらいになったところで、「けがをするな。注意して降りろ」と言葉を書けたので、それを見ていた私が「これくらいの高さであれば、たとえ飛び降りたとしても降りられよう。どうしてそう言うのか」と申したところ、「そのことでございます。高くて目がくらみ、枝が折れそうで危ない間は、自分で恐れて用心しますから、注意しろとは申しません。けがは、安全な所になってから必ずするものでございます」と言う。
賤しい身分の者ながら、その言葉は聖人の教訓にかなっている。蹴鞠の鞠も、難しいのをうまく蹴った後で安心すると、必ず失敗して鞠を落とすそうだ。

・・・「いいねぇ、良くなってきたねぇ。上達したねぇ」。
師匠から絶賛されたのが、前日の稽古の時。
「落語の口調になって来た。聴いていて快い」。
そして、本番で悲劇が起こります。
殿様「このさんまは、いずれで求めた?」
家来「はい、”日本橋”魚河岸で求めてまいりました」
殿様「う~ん、それでいかん。さんまは"目黒"に限る」

・・・名作「目黒のさんま」の有名なオチです。
これが、「はい、"江戸"の・・・魚河岸で・・・」と言ってしまったなら、オチになりません。
という訳で、昨日の打上げの席では、"江戸"と"日本橋"がタブーになりました。
最初の乙姫さんの出囃子は「お江戸日本橋」でしたから、随分皮肉なものです。
尤も、タブーなど気にしたり、気を遣ったりする人たちではありませんから、逆にみんなからいじられていました。
オチは落語の命とでも言うもの・・・。
「空き地に塀が出来たってねぇ」
「そうだってねぇ」
・・・じゃあオチになりませんから。
打上げでは、新参さんのために、女性に囲まれた席に座ってもらい、優しく慰めてもらいました。
さぞや残念だったことでしょう。
本番までに稽古を3回やろうと言っていたのに、あれから一度もやらずに本番を迎えたそうですから。

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