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2015年7月26日 (日)

粉飾決算

やはり、同じ疑問を抱く人は多いということですね。
東芝が決算の利益を水増ししていた問題をどんな言葉で表現するかについて、新聞各紙で見解が分かれている。
なぜ今回、耳慣れた「粉飾決算」という言葉が使われず、「不適切会計」などと呼ばれているのか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150725-00000003-wordleaf-bus_all&p=3

どの新聞社のコメントも釈然としません。
しかし、この記事の最後にあった、早稲田大学法学部の上村達男教授(会社法・金融商品取引法)のコメントは、「その通り」だと思いました。
第三者委員会が東芝の経営陣による意図的な利益水増しを指摘している時点で、違法な会計であり、明らかに粉飾。
少なくとも不正会計と表現すべきで、今もって違法ではないという意味を含む不適切会計という表現をつかっているのはおかしい。
他の詐欺事件などでは疑惑の段階で報じているのだから、以前から「粉飾疑惑」という言うべきだったのではないか。

素朴に思うのですが、人が殺されるという惨劇があった時に、殺人罪か、致死罪かが議論になります。
刑法では、「故意」が刑罰の課す構成要件となります。
従って、誤った場合、あるいは殺意がない場合には、殺人罪とはならないことになります。
しかし、これは量刑のための議論です。

故意でも、過失でも、結果的に過重(殺すつもりはなかった)になったとしても、その行為によって人が亡くなったのなら、普通は「殺人」というのではないかということです。
「殺人罪」にはならなくても、殺人と言う事実には変わりはないのですから。
だから、東芝の場合も、"立派な"「粉飾(決算)」ではないですか。

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