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2015年6月12日 (金)

五百羅漢

今稽古をしている「五百羅漢」のあらすじをご紹介します。
師匠の「圓窓五百噺ダイジェスト」より。
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八百屋の棒手振りの八五郎が迷子(六つくらいの女の子)を連れて商いから戻ってきた。
その子はかみさんが問い掛けても口を利かない。どうやら、先だっての大火事で焼け出されて親とはぐれしまい、驚きのあまりに言葉を失ってしまったのであろう。
とりあえず、まい(迷子のまい)という名前を付けて、親が見付かるまで手許に置くことにした。
翌日から、八五郎は商いをしながら、女房は外へ出て用足しをしながら、「こういう子を預かってます。親御さんを知りませんか」と尋ね回るが、一向に手がかりはない。
四日目。かみさんは八五郎に言う。
「このまいは、いやな子だよ。薬缶を持って口飲みするよ」
「親の躾が悪いのかな。親が見付からなかったら、うちの子にしてもいいと思ってい
たのに……。手がかりがねぇんだから、探しようがねぇ」
Yjimage_3「この子を旦那寺の五百羅漢寺へ連れってって、羅漢さんを見せたらどうだい? 五百人の羅漢さんのうちには自分の親に似た顔があるというよ。それを見つけて、なんか言おうとするんじぇないかい。それが手がかりになるかもしれないよ」
と、翌日、五百羅漢寺へ連れて行って羅漢堂の中の五百の羅漢さんを見せる。
すると、上の段の一人の羅漢をじーっと見つめて、指差しをした。
「この子の父親はこういう顔か。これも何かの手がかり」と合点して、境内を出たところで、住職とばったり。
迷子のことを話すと、住職が「今、庫裏の畳替えをしているんだが、その職人が『火事でいなくなった子供がまだ見付からない』と来る度に涙ぐむんだ」と言う。
と、子供が庫裏を前の畳の仕事場になっている所へ駆け寄ると、小さい薬缶を持って口飲みを始めた。
これを見た八五郎「畳屋の娘だ! 躾が悪かったわけじゃねぇ。親と一緒に仕事に行って、見てて覚えたのが、口飲みだったんだ」
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ちょうど庫裏から畳を運び出してきた職人が、子を見付けて「よしィ!」と絶叫。
はじかれたように立ち上がった子が、「ちゃーん!」と声を出して、吸い寄せられるように跳び付いていった。
職人は泣きながら、その子を両手で包むように抱きしめた。
この様子を見ていた八五郎、「やっと声が出た…。本物の親にゃ敵わねぇ…」
住職も涙を拭きながら、「畳屋に言って、お前さんに礼を言わせるから」
八五郎も涙して、「しばらく、二人切りにさしておきましょうや」
二人が手をつなぎながら、親が大きな薬缶を持って口飲みをして、プーと霧を吹き出すと、畳ほどの大きな虹が立った。
子供が小さな薬缶で口飲みして、ぷーッと小さく霧を吹くと、可愛い虹が立った。
この二つの虹と虹の端が重なった様は、親子がしっかりと手を握り合って、「もう離さないよ」と言っているようだ。
八五郎「こちらへ来てよかった。さすが五百羅漢のおかげだ」
住職「なあに、今は親子薬缶だよ」

先日、初めて読み稽古をやって、あまり人情噺ぶらずに、さりげなく作り上げてみようと思いました。

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