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2015年6月 3日 (水)

金願亭乱志

パッチワークのような「笠と赤い風車」。
これは、お賎が、常吉を手を合わせて見送る場面です。
頓平師匠から(勝手に)いただいた着物、渋くていいですね。
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開演前に、何人かの方から、「ブログ見てるよ」と声をかけていただきました。
大変光栄である反面、あんまり日常の"食生活"などのくだらないテーマは恥ずかしいから、ちょっと控えないといけません。
いわゆる文芸物で、師匠から頂戴したアドバイスから、極力"地噺"の部分を会話(台詞)に変えて編集してみました。
読み物や講釈と落語は違う。
落語は(極力)会話でストーリーを展開して行くもの。
それから、落語には、トリで寝蔵師匠がお演りになった「井戸の茶碗」に代表されるが如く、真からの悪人は登場しない。
しかし、文芸物のこの噺には、主人公の常吉も入れると、少なくとも4人の悪人が登場します。
常吉にあることないことを吹き込んだやつ、莫連女のお金とそのヒモの蝮の仙吉。
このどうしようもない後味の悪さに、どうやって光明を当てて行くのか、そのプロセスでした。
ハッピーエンドではないストーリーに、かすかに救いを見出すために、最後に常吉が「おっ母さん、おっ母さぁ~ん!」と泣きつく場面で、2つの「おっ母さん」の間に、小さな声で「すまねぇ」と入れることにしました。
オチまでは、何の救いもない悲しい噺だけれども、改心した常吉がお花と夫婦になって、両親と育ての親のお賎に恩返しをするだろうとの期待感を込めようと。
「浜野矩随」と「笠と赤い風車」は、母と息子の人情を。
「ねずみ」と「通夜の猫」と「抜け雀」は、父と息子の愛情を演じてみました。
あ、「薮入り」は、育ての親(両親)との繋がりでした。
打上げの時に、内気家てれ生師匠から、「お前の怪談噺が聴いてみたいよ」と言われました。

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