さん喬師匠「甲府ぃ」評
先日の(行きたかった)「人形町らくだ亭」での、柳家さん喬師匠の「甲府ぃ」。
早速、有名な評論家をはじめとする人たちからのコメントが投稿されているようです。
◇さん喬師匠の「甲府ぃ」はおそらく初見。
あまり想像がつかなくて興味がわいてたが、聴いてみてやはり、あまり師匠には合わないネタなのかなと感じたな。
特に後半は、無理に師匠の味付けにしようとし過ぎてるような。
この演目も主催者のリクエストなんだろうか?
◇深川の会で聞いて以来かな?
全体の展開が人情噺に近付き過ぎて、静か過ぎる。
平坦な噺が更に平坦になった印象。
◇前半の主人公が豆腐屋の親方に助けられる件、さん喬のこれでもかというくらい慈愛に満ちた親方がいい味わい。
心優しい初老の江戸っ子の雰囲気がまさにさん喬の世界観として滲み出る。
その場面だけで一編の人情噺で成立している。
なのに主人公を娘の婿にというところでの豹変ぶりがとってつけたようになる。
あれはいろんなやり方があるよね。
前半で親方が多少そそっかしい人物というのをどこかに出しておくとか。
娘のことになると親は豹変するというのもわからなくはないが、ここの笑いをとる場面で、前半の人情噺の味わいが喪失するのはもったいない。
他にもやり方はあるよな。
あえて笑いをとりに行かずに、そこにも親の寂しさを滲み出させるという改作があってもいいと思った。
◇豆腐屋の旦那の優しさが心に沁みる。
順調な展開につい、願ほどきで全てが無に帰すさまを妄想…。
◇「甲府ぃ」はどうってことない 噺だと思ってたけど、さん喬師匠がやると泣きたくなる。
さん喬師匠にしては珍しく、あまり高い評価ではなさそうです。
「甲府ぃ」という噺は、登場人物全てが善人で、ただひたすら平和な噺です。
実際に聴いている訳ではないので、何とも言えませんが、軽い気持ちで聴いて気分が良くなれば良いと思いますよ。
私は、そんな気持ちで演っています。
一説には、日蓮宗の宣伝噺とも言われているようですが。
ところで、この落語会で、「四段目」を演った、二つ目の柳亭市楽さんの評判が高かったのが印象的でした。
前座の頃は、よく聴きました。
楽しみですね。
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