真打昇進・・・
演芸評論家の瀧口雅仁さんが、「真打」についてこんなコメントをしています。
何も無理をして真打を作らなくてもいいんじゃないかと思うことが多い。巧者ではあるけれど、じゃあ売りは?というものを持っている人が最近は少ない。
「真打昇進がスタート」というのも、だからこそ最近は違うと強く思う。抜擢真打の何人かは、やっぱり二ツ目になった時にスタートを切っている。
・・・真打問題と言うのは、永遠の課題なのかもしれません。
落語協会では、10人が真打になりましたが、確か昭和48年頃、年間20人の真打が誕生したことがありました。
それが、昭和53年の落語協会分裂騒動に至る原因にもなったと思います。
相撲に例えて考えると・・・。
真打を、十両からと見るか、幕内からと見るかということです。
幕内からと言いたいところですが、十両だと考えるのが妥当だと思います。
十両からが関取と言われ、付き人も付けられますから。
ただし、相撲の場合は、ここまで上がってくるのには、物凄い競争が行われている訳です。
ですから、それから見ても、真打昇進がスタートだと言うのは、私も違うと思います。
花井伸夫さんも、毎日新聞で「落語協会真打ち昇進披露 惜しかった長講」と題して、こんなコメントをしています。
落語界における大量真打ち政策は1973(昭和48)年の春秋10人ずつに端を発する。
だからといって政策は愚策ではなく、大量昇進者の中から今日までに会長職や大幹部、人気者たちが生まれている。
実に実のあるバラエティーに富んだ大量真打ち政策だった。
今回の昇進者も10人。
誰が歴史の中で花開いていくかは定かではない。
大いに期待できるところだ。
襲名披露は香盤順に、三遊亭司、喬之進改め柳家小傳次ら。
襲名披露口上には、初日は司を中に司会で柳家権太楼、最高顧問の鈴々舎馬風、同じく三遊亭円歌、司の師匠・歌司、落語協会会長の柳亭市馬が豪華に居並んだ。
ついにトリの時がやってきた。
司が選んだのは「大門で止められる」の艶やかな名セリフで知られる「明烏」。
司は先代三木助が早世したこともあっての移籍だが、なぜ歌司の弟子になったのかも含めて、若々しい口跡で青春時代を興味深い一席に仕上げてみせた。
合格点といえるのだが、40分に及ぶ長講はマイナスだったかもしれない。
気持ちのいいフレッシュな若旦那ものだっただけに惜しい。
司を含めて、新真打ちたちはどう育っていくのだろうか。
過去の大半が紆余曲折も含めて、いい噺家に育っている。
不思議な現象ともいえるだろう。
それを思うと、感慨深い大量真打ち昇進披露興行である。
・・・個別の噺家さんの評で語っていますが、かなり楽観的なニュアンスでした。
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