三笑亭夢丸と《新江戸噺》

夢丸師匠は、先月お亡くなりになりましたが、大友さんは、師匠のライフワークだった「新江戸噺」に、最初から関わっておられたそうです。
「夢丸新江戸噺」と言うのは、夢丸師匠が個人で行った新作落語の台本募集企画です。
2001年から10年まで、毎年1回で10回行われました。
応募の条件は、「日本人が着物を着ていた時代を背景とする噺」。
新しい古典落語を作りたいと言う気持ちが伝わって来ます。
若い頃は、タレントとして売れっ子になっていましたが、50代半ばからは、「残りの人生を落語家らしい落語家として送りたい」と、タレント活動をやめました。
師匠の描く落語家らしい落語家、理想の落語家とは、「江戸の人間ドラマを語る語り部」だったのだろうと、大友さんは仰います。
毎回100編を超える応募作品の一次選考を、師匠と2人で行ったそうです。
さらに二次選考で受賞作が決まると、師匠は自ら受賞者に電話をして、感謝の意を伝えていたそうです。
この企画で、「えんぜる」などの名作が世に出た訳ですが、第1回目の受賞者の一人が、弟子入りをして、この5月に三笑亭朝夢改め小夢として、めでたく真打に昇進するという。
ご自身の夢丸の名前も、夢吉さんが襲名して、同時に真打です。
享年69歳は、あまりにも早すぎましたが、落語家らしい落語家として、多くの人やものを残してくださったと思います。
私が、国立演芸場での、受賞作の表彰とネタ下ろしの会に行ったのは、第何回目立ったんでしょうか……。
考えてみると、師匠の「救いの腕」も「藪中の蕎麦」も「揺れるとき」も、みんな着物を着ていた時代設定の噺です。
全て市井の人々の人情が溢れ出ている、噺らしい噺です。
考えてみると、師匠の「救いの腕」も「藪中の蕎麦」も「揺れるとき」も、みんな着物を着ていた時代設定の噺です。
全て市井の人々の人情が溢れ出ている、噺らしい噺です。
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